片道2時間半の徒歩通勤と聞き、警察官が青年に自転車をプレゼント(出典:http://viralvibes.net)

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白人警官と黒人市民、また人種差別問題による大きなトラブルが起きているアメリカだが、このニュースはそれとは180度異なるもの。市民の気持ちを和ませるようなハートウォーミングな話題がカリフォルニア州から飛びこんできた。

サンフランシスコに近いソラノ郡のヴァレーホに暮らす18歳のジョーダン・ダンカンさん。真面目な黒人青年である彼は今年5月に自宅から東に進んだベニシアにある「Pro-Form Laboratories」という企業に就職し、工場の包装ラインに携わっていた。だが通勤に使用していた車が7月に事故を起こして廃車になり、やむなく徒歩通勤に変更。車なら15分であった職場も徒歩ではなんと片道2時間半という大変な距離であった。

そんな中である日の夜、ベニシア警察署のカーク・ケファーさんが乗るパトカーのヘッドライトが道路をてくてくと歩くダンカンさんの姿を捉えた。そこは運送や産業廃棄物収集などのトラックがビュンビュン飛ばす工業用道路で歩道はない。「11年パトカーに乗り続けてきたが、これほど危ない徒歩通勤をする人を見たのは初めて」とケファーさん。ダンカンさんを呼びとめてパトカーの助手席に乗るよう勧め、安全なドライブで自宅に送り届けている。

パトカーの中で何気ない世間話が始まると、ケファーさんはダンカンさんの堅実な人生観にさらに驚いてしまった。「カリフォルニア州のハイウェイパトロール隊員になるのが夢で、そのため大学に入りたい。僕は今、働きながらコミュニティカレッジの学費を貯めています」とダンカンさん。車を購入せず毎日5時間歩くのも節約のためだという。居ても立っても居られなくなったケファーさんは、署に戻ると副署長に「安全のためにも彼に自転車を贈るわけにはいかないでしょうか」と相談した。上の組織からも承諾を得るとケファーさんは地元の自転車販売店へ。丘陵地帯のため坂道も多いことからマウンテンバイクを選び、夜間に強い照明器具やヘルメットも添えられた。

こうしてある日、彼らはサプライズにしようとアポも取らずにダンカンさんの職場へ。しかしダンカンさんはその時のことを「何人もの警察官が僕に会いたいとやって来たと告げられ、何か悪い容疑がかけられているのだと想像してひるんでしまいました」と話している。「ちょっと贈りたいものがあるらしい」と女性に改めて説明され、ダンカンさんはやっと彼らの元へ。予想だにしていなかった新品のマウンテンバイクを目にして唖然としてしまったという。

ケファーさんおよびその上司は「事件現場に向かい、事故の処理にあたり、違反者や犯罪者を捕まえる日々において、仕事熱心で真面目なダンカンさんとの出会いは大変さわやかな気分にさせてくれました。私たちの仕事はこうした素晴らしい市民に寄り添うことでもあるのだと実感した次第です」と語っている。一方で、この話題がメディアに大きく取り上げられたダンカンさんは周囲にからかわれる日々を送っているが、「真面目に生きているといつか良いことが起きるというのは本当のことだったのですね」と話すなど、警察官の善意を素直に受け止め喜んでいるもようだ。

出典:http://viralvibes.net
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)