<あれだけイタリア政界をひっかき回したベルルスコーニ元首相が、80歳の誕生日を迎えて一番後悔しているのは、なんと「ACミランを強化できなかったこと」>(写真は、今年5月のローマ市長選で応援演説するベルルスコーニ)

 イタリア政界でもビジネス界でもスキャンダルの世界でも「精力的」に活動し続けた彼が、ついに引退か。

 先週、イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ元首相が80歳の誕生日を迎えた。それを記念して行われたインタビューからは、彼が20年以上立ち続けた政界の表舞台から身を引きそうな雰囲気がひしひしと伝わる。

「人生において、年齢を気にしたことなど一度もなかった。いつでも40歳のつもりで生きてきた」と、ベルルスコーニは自ら所有するメディアの1つであるゴシップ誌「Chi」で語った。「だが病気になって手術を受け、強烈に自覚するようになった。私は80歳の老人なのだと」

 メロドラマ張りの性スキャンダルや他国の首脳相手でも躊躇しない粗野なジョークで悪名をはせたベルルスコーニは、5人の子供と10人の孫、それに31歳のガールフレンドと一緒に80歳の誕生日を静かに祝った。ロシアの親友ウラジーミル・プーチン大統領からバースデーコールも受けたらしい。

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 長年、政界で実力者として君臨しながらも、脱税事件で13年に有罪が確定し、2年間の公職停止に。以降は脇役に追いやられており、今年の夏に心臓手術を受けたこともそれに拍車を掛けた。

 だがベルルスコーニは、むしろ自らの消えゆく政治的影響力を気楽に静観しているようだ。「政治に情熱を傾けたことは一度もない」と、彼は言う。「政治がしてくれたことといえば、私から途方もない時間とエネルギーを奪ったことくらいだ」

 大炎上を起こした乱交パーティー「ブンガブンガ」は、ベルルスコーニの後悔度ではトップに上るように思える。少女買春と職権乱用で11年に起訴されると、彼の人気は急降下した(この事件は14年に無罪判決が出た)。

 だが実のところ、一番後悔しているのはサッカーだと、ベルルスコーニは語った。所有するサッカーチーム、ACミランの強化に十分力を入れられなかったことが悔やまれるという。同チームは今年7月、中国の企業連合に売却された。

「ここ数年のACミランに以前の強さがなかったのだとしたら、それは私が個人的に力を割けなかったからだ」とし、スキャンダルをめぐる捜査に時間と労力を奪われたせいだとぼやいた。

[2016.10.11号掲載]

カビタ・スラナ