旭山動物園・あざらし館前の手作りオブジェ(2016年9月撮影)/(C)旭川市旭山動物園

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このタイトルを読んでコチラのページに飛んできた皆さま、「アレ」とは一体何だと思います? 

【写真を見る】旭山動物園・「ふむふむパネル」1例(2016年9月撮影)/(C)旭川市旭山動物園

「アレでしょ? アザラシが筒型の水槽をすい〜って泳ぐやつでしょ?」

あー、「行動展示」ですね。写真も、あざらし館の前にあるオブジェですしね。確かに、旭山動物園といえば動物の生き生きした姿が見られる「行動展示」が有名。今まで、「全然動かないなー。たまにぷかーって浮いて呼吸してるだけだもんなー」なんて感じで見ていたカバが、水中をアグレッシブに泳いでる姿を見た時は衝撃でしたからね (※かば館には深さ約3mの水槽があり、水中のカバの動きをあらゆる角度から観察することができます)。

さて、話を「アレ」に戻しましょう。今回は「行動展示」のお話じゃないんです。

実は「手作り看板」のことなんです。

「なんだ看板か…」と思った方、待ってください! 見てください、上の写真を! これ全部、飼育員さんが手作りで作ったアザラシの仲間を紹介するオブジェなんです。どれも色や柄、大きさなどすごくリアルに出来ていますよね。

「手作り」というだけあって、園内にあるほとんどの看板は手書き。毎年、冬期開園が終わり、夏期開園までの準備期間中に制作しています。1年に一度作り変えているのは、毎年足を運んでくれる来園者の方に飽きずに楽しんでもらいたいから。また、色あせたり壊れたりしてしまっているための修復だったり、夏期開園へ向けて心機一転を図る、なんて意味もあります。

手作り看板の種類はさまざま。かわいらしいイラストが描かれているものもあれば、動物の特徴が小さな文字でみっちりと書き込まれたものもあります。

例えば…

こちらは「ふむふむパネル」。動物の特徴が説明されている看板です。ちなみに、これはコノハズク(北海道産動物舎)というミミズクの一種の説明書なんですが、鳴き声を漢字で書くと「仏法僧(ブッポウソー)」なんですね。シブい。

お次はこちら。

「ほねほねパネル」というもので、展示動物の骨のつくりが分かる、骨格標本展示。写真はシンリンオオカミ(オオカミの森)のもの。「ほねほねパネルクイズ」が出題されていますねぇ。どうしてクイズって、出されたら答えたくなるんでしょ…?

そして、「読む」だけじゃない看板も。

写真は小獣舎にいる「アフリカタテガミヤマアラシ」の紹介看板。看板に空いた穴から実際の毛を触ることができます。ほかにも、動物のヒゲや卵、フンなどを体感できる看板がありますよ!

そして、こちら。

そのまま「赤パネル」「青パネル」と言われている看板。赤パネルは誕生や入園を、青パネルは死亡や出園を意味しています。旭山動物園では、<生があれば必ず死があるということ>、そして<死を実感することで、より多くの人が生を大事なものと思えるように>との願いを込め、青パネルを設置しています。

これは今までの看板とちょっと違って、タイムリーなコメントを飼育員さんが都度書き変えているモノ。換羽中だとか、エサをたくさん食べる時期ですよ、とか行った時ならではのようすを知ることができるんです。

限られた時間、動物を見ているだけじゃ分からないモノが看板にはいっぱい詰め込まれているんです。いわば、手作り看板は飼育員さんから来園者への「ラブレター」。通り過ぎちゃもったいない! 動物を見て看板を読んで「二度おいしい」感覚、味わいましょう。

※画像提供:旭川市旭山動物園

【北海道ウォーカー/出村聖子】