帝王切開手術を受けるも、子どもの顔を見ることなく死亡した母親(出典:http://metro.co.uk)

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イギリスで26歳妊婦が陣痛を起こした数時間後に死亡するというショッキングなニュースが英紙『Metro』で報じられた。重度の便秘を病院が見逃した末、胎児にも脳に深刻な障害が残ってしまうという悲劇に見舞われた。

デリッサ・パークスさん(26)は亡くなる前日、陣痛の痛みを訴えてロンドン・ルイシャムにあるルイシャム病院を訪れた。しかし出産にはまだ時間がかかるからと帰されてしまった。

デリッサさんは普段から便秘症だった。妊娠前期に大腸内視鏡検査で腸が詰まっていることが発覚したが、病院は適切な治療を行わなかったという。

母のシルヴィア・パークスさんによると、デリッサさんのお腹は奇妙なダイヤモントのような形をしていたそうで、「赤ちゃんは妊娠35週になっても逆子だったことから、病院は帝王切開の予約をするよりも逆子を直してから自然分娩での出産をすすめてきました。でも私は反対でした。娘はとても小さく、お腹だけがとても大きかったのです」と話している。

さらにデリッサさんは病院で逆子を直す治療をした後、座ることもままならなくなり嘔吐を繰り返していたそうだ。

妊娠39週目に入った10月8日、出血し始めたデリッサさんはルイシャム病院に搬送されたものの、デリッサさんもお腹の赤ちゃんも呼吸数が急速に低下した。また腸内に詰まった大量の便により赤ちゃんが子宮口を通り抜けることができず、医師らは緊急帝王切開手術に切り替えたが、2リットルもの大量出血を引き起こしてしまった。その後、母子はセント・トーマス病院に運ばれたがデリッサさんは多臓器不全に陥り、その日の夜に死亡が確認された。

一方で赤ちゃんは出産時の酸素不足により脳に深刻なダメージを負い、生命維持装置がつけられた。そして自発呼吸がほとんど見られなくなった1週間後、家族は生命維持装置を外すことを決断した。しかし機械をはずした瞬間、赤ちゃんは自分で呼吸を始め、その呼吸は日に日に力強くなっていった。それでも医師には、この先歩くことも話すこともできないと言われている。

シルヴィアさんは娘を亡くした今、残された孫の世話をしている。「どうして早く帝王切開してくれなかったのか、どうして大量の便を見逃したのか」今となっては全てが悲劇に変わってしまった状況に対して「時計の針を戻せたら」と悔やむ。また現在、病院の医療過誤を訴える準備をしているという。

病院のウォーカー医師は「デリッサさんを帰さずに胎児が負うかもしれない深刻なリスクを考慮して、病院に留めておくべきだった。でもどちらにしても助からなかっただろう」と述べている。

検視官は、デリッサさんは心臓から肺に血液を送る肺動脈に血栓がつまる「肺血栓症」によって死亡したと結論づけている。しかし死因の主要因は便秘であり、デリッサさんが「巨大結腸症」であったことを産科病棟のスタッフが誰も知らなかったことが、妊娠をより危険なものにしてしまったと語っている。

出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)