極楽湯名取店photo by Kuha455405 via Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

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 8月以降、急速に注目を集めている銘柄がある。それは、スーパー温泉「極楽湯」を展開する「極楽湯」である。

 極楽湯の株価は、2015年1月以降、500円台のヨコヨコのレンジ取引が続いていたが、7月29日、2016年4〜6月期の連結決算を発表してから、株価が急騰し、9月7日には1440円を付け、10月4日にはそれを更新する1474円を付け、10月6日の終値で1250円、連結ベースでPER:75.17倍、PBR:3.28倍である。割高な水準に達している。

 極楽湯は、「人と自然を大切に思い、人の心と体を癒すことにより、社会に貢献する」という企業理念の下、スーパー銭湯「極楽湯」を全国展開している。また、温浴専業企業の中で唯一の上場企業であり、日本最多の店舗数を誇る。2016年3月現在の店舗数は、国内直営店23店舗、国内FC店17店舗。また、海外中国にも2店舗を展開している。

◆株価急騰のきっかけとなった好決算

「極楽湯」の株価が急騰した理由は、先述したとおり好決算にある。

 極楽湯の第1四半期(4〜6月)決算は、売上高は38億3000万円(前年同期比5.2%増)、営業利益は4億7400万円(前年同期比110.0%増)と大幅増益であった。その内訳は、国内の売上高が25億800万円(前年同期比1.2%減)、営業利益1億400万円(前年同期は損失9百万円)となっており、中国の売上高が13億4200万円(前年同期比19.7%増)、営業利益4億2400万円(前年同期比54.5%増)と、中国事業のほうが大幅増益となっている。中国上海に海外2号店をオープンしたことなどが寄与し、2017年3月期の連結営業利益は、前期比44.8%増の650百万円が予想されている。(参照:平成29年3月期 第1四半期決算短信※pdf )

 この堅調な中国事業は2011年に上海に子会社を設立してからスタートしている。2013年には、中国上海市に直営1店舗「極楽湯碧雲温泉館」をオープン(海外進出1号店)。2014年には香港に「Gokurakuyu China Holdings Limitedを設立。2015年、中国上海市に2店目の直営店舗「極楽湯金沙江温泉館」をオープン。さらに2016年には中国武漢市に3店目となる直営店舗をオープン予定(11月中)である。

 さらに、中国でのフランチャイズ展開がおこなわれる予定だ。2016年8月26日のプレスリリースによると、極楽湯(上海)は、中国の有力企業である「青島紅樹林旅業有限公司」(中国山東省)と「無錫博大置業有限公司」(中国江蘇省)の2社と、それぞれ「青島(チンタオ)」および「無錫(ムシャク)」において温浴施設をフランチャイズ展開することについて合意したと発表している。

 このあたりの情報などをもとに中国の投資家などの注目を集めていることがこの高騰の要因だと思われる。

◆温泉リートの登場

 温泉業界の「ホット」な話題としては、もう一つトピックスがある。8月31日に初めて温泉リートが上場したのである。「大江戸温泉リート投資法人」のことだ。

「大江戸温泉リート投資法人」は、温泉・温浴施設を投資対象とする。スポンサーの大江戸温泉物語グループは、温泉宿泊施設の再生事業を手掛け、全国で29物件を運営している(2016年7月時点)。

 大江戸温泉物語グループが、2007年から全国の温泉・温浴関連施設の経営・活性化事業を展開する際の、日本初の温泉テーマパーク「大江戸温泉物語」で得たノウハウを活用するモデルを「大江戸モデル」として、シニア層やファミリー層をターゲットにチェーンオペレーションを導入している。

 上場時のポートフォリオは、スポンサーが運営する29物件のうち9物件。大江戸温泉物語伊勢志摩、伊東ホテルニュー岡部、大江戸温泉物語あたみ、大江戸温泉物語土肥マリンホテル、大江戸温泉物語あわら、大江戸温泉物語かもしか荘、大江戸温泉物語伊香保、大江戸温泉物語君津の森、大江戸温泉物語レオマリゾートである。(参照:ポートフォリオマップ) 9物件の合計客室数は773室で、取得額は計268億円である。