写真撮影/片山貴博

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10月は衣替えの季節。もしあなたが「秋冬物を買うとクローゼットがパンパンになる!」「服が多くてコーディネートに時間が掛かる!」という問題アリの状況なら、服を最小限に減らした「ミニマリスト」のワードローブを参考にしてみませんか。衣替えを機にクローゼットの中を見直しましょう。

今夏は12着で着回し! 服を減らして「見える化」すると、管理が楽になる

「持っている服の枚数は多いのに、出かける際に着られる服がない!」と感じている人は多いのではないでしょうか。「今」着たいものが「すぐに」見つからないのは、ワードローブ(持っている衣装・衣装の組み合わせ)に問題があるのかもしれません。

要は「必要と思っていても実は不要な服」が多く、そのために自分のワードローブを把握できていないのです。だから、外出時はいつもコーディネートに時間がかかってしまう非効率的な状況に…。

では、最小限の物で暮らす人の場合はどうなのだろうと気になり、9月下旬にミニマリストのエミさん(30歳・専業主婦)のお宅を訪ねてみました。エミさんは、ブログでワードローブを公開しています。

【図1】3人家族(夫婦+子ども)の洋服はすべてこのクローゼットに収納(写真撮影/片山貴博)

【図1】3人家族(夫婦+子ども)の洋服はすべてこのクローゼットに収納(写真撮影/片山貴博)


【図2】エミさんの服は赤枠内だけ。「夫や息子の方が衣装持ちです(笑)。見ていると断捨離したくなりますが、人の物には手を出さないようにしています」(写真撮影/片山貴博)

【図2】エミさんの服は赤枠内だけ。「夫や息子の方が衣装持ちです(笑)。見ていると断捨離したくなりますが、人の物には手を出さないようにしています」(写真撮影/片山貴博)


【図3】エミさんの服だけを見ると、こんなに少ない!「何があるのか、一目ですぐ分かるようにしています」(写真撮影/片山貴博)

【図3】エミさんの服だけを見ると、こんなに少ない!「何があるのか、一目ですぐ分かるようにしています」(写真撮影/片山貴博)

クローゼット内を見ると、エミさんの服は会社員の夫より少ない状態です。エミさんがこの夏、着回した服は、トップス7着、ボトムス5着の計12着! 上下6着の下着、靴下3足を入れても計21着。薄着の季節とはいえ、かなりの少なさです。

エミさんの服がここまで少ないのは、季節ごとに前シーズンの服を処分しているから。つまり、お気に入りの数枚や礼服を除いて、「今」着る服しか持っていないのです。

「春、実家に2週間帰省した際にトップス4着、ボトムス3着しか持って行きませんでしたが、予想に反してコーディネートが楽になりました。服は数を減らして“見える化”すると、何があるのか一目で分かりやすくて選ぶのが楽になるし、お気に入りの服ばかり厳選してあるから気分が盛り上がるんですよ」とエミさん。旅行や帰省は、”少ない物でなんとかする練習“にはもってこいの機会になるようです。

毎日のコーディネートを“制服化”すると時短に!

「ミニマリストには“私服を制服化”(毎日着る服をあらかじめ決めたコーディネートで着回すこと)している人が多いのですが、私もそうしています。忙しい平日は“制服”にして、休日は別の組み合わせにすることで気分を変えています。何を着るか決まっているので、服選びが簡単で時間の短縮にもなります。余分な服を買うこともなくなり、お財布にも優しいです。私服の制服化は忙しいママの強い味方なんですよ」

エミさんは、シーズン頭に数セットの服を購入し、シーズン中にも何回か買い足して、大体6組ほどの“制服”をつくります。「最少でも4組あれば、雨が続いても何とか回せます。お店で購入する際は、1着につきコーディネートを3パターンほど考えてから買います。3パターンあれば、そのうち1つはヒットするので、『買ったのに結局着なかった』ということを防げます」

エミさんが買った秋服は10月1日時点で、リブセーターを色違いで2着、ボーダーTシャツ、ジョガーパンツの計4着。まだ肌寒くはないので、夏物のブラウスやガウチョパンツと組み合わせています。

エミさんのワードローブの傾向は、「トレンドを多少気にしつつ、ベーシックな物。秋冬は定番7割、流行のデザイン3割程度で、春夏はトレンド物の割合を増やします。白、黒、茶色など落ち着いた色合いが多いですね。子育て中で忙しい現在は、購入するお店も定番化してユニクロやGUと決めています。女性、男性、キッズのアウターから下着までそろっていて、家族全員の服をまとめて買えるので便利です」

【図4】秋の“制服”の3例。気温に応じて、この上にパーカーやカーディガンを羽織ります(写真撮影/片山貴博)

【図4】秋の“制服”の3例。気温に応じて、この上にパーカーやカーディガンを羽織ります(写真撮影/片山貴博)


【図5】普段履く靴は4足のみ(ほかに礼服用が2足)。「靴は傷んだら買い替えます」(写真撮影/片山貴博)

【図5】普段履く靴は4足のみ(ほかに礼服用が2足)。「靴は傷んだら買い替えます」(写真撮影/片山貴博)

着倒して来年に持ち越さなければ、クローゼットがスッキリ!

本来おしゃれ好きで、衣装持ちだったエミさん。「元々は季節外の服を捨てず、スーツケースにしまっていましたが、収納場所や出し入れする時間がもったいないと感じて処分することにしました。少ない枚数の服を着回すので、よれよれになったりシミができるまで着倒すことになります。だから部屋着へ降格することもありません」とかなり割り切っています。

「いい服をきちんと管理して何年も大切に着続けたいという気持ちはありますが、そうした服は子育て中には不要と考えた結果です」

洋服の数をここまで絞り込んだのは、「開き直り」と話すエミさん。結婚して暮らし始めた家で、物がいつの間にかどんどん増えて、転勤することをきっかけに、その物の多さに愕然となったそうです。
「引越しの期日が迫るなか、捨てるか荷詰めするかの2択の結果、約7割の物や服を捨てました。いわゆる『迷い中BOX』はつくらず、絶対に必要というものだけを残したんです。元々洋服が好きで、かなりの数を持っていましたが捨てて後悔した物はなかったので、実は不要だったのだと気づきました」

エミさんは服の処分も定番化させ、決められた日に自治体の古着リサイクル回収に出すことにしています。
「最初は、次に服を買うときの足しにできればと思ってリサイクルショップに持参していましたが、次第に面倒になって…」

それが結果的にクローゼットの中をスッキリさせることにつながりました。「誰かにあげよう」「古着屋さんに売ろう」と思っているうちは、クローゼットやリサイクル行きの箱などで保管するわけですから、アクションを起こすまで服はなくならず、その分の管理が必要になります。

エミさんのように「即不要」と判断できなくても、「着るかも?・でもやっぱり着ない?」という服をずっと持っているのは、それだけ時間も場所も無駄にしていることです。それを自覚するのは、毎日が快適になるワードローブ計画にとって大切なことなのです。

おわりに

エミさんにお話を伺って一番印象深く感じたのは、処分の思い切りの良さ。着ない服は即処分という風にすれば、気分も空間もスッキリして、コーディネートが楽しくなります。

最後に、「服の無駄買いをしなくなったことで、月に1万円以上かかっていた被服費が半分以下になりました。服にかけるお金や時間を充実させるより、息子とのお出かけ回数を増やしたり、おいしい物を食べるなど、暮らしを楽しくする方にお金を使いたいですね」と話すエミさんが、とても幸せそうに見えました。

●取材協力
・エミさん
東京都在住の主婦・ミニマリスト。夫と息子の3人暮らし。ブログ「ミニマリストな転勤妻」でワードローブ情報などを公開中