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派遣社員の事前面接は違法!
2005年06月15日05時54分 / 提供:PJ
【PJ 2005年06月15日】−
派遣社員を事前面接することが横行している。派遣先企業からすれば、当たり前だと思っているかも知れないが、「面談」「顔合わせ」などの呼び名で実際に派遣社員を紹介され、そぐわない場合には採否を出した経験のある採用担当者だっているはずだ。しかし、それは労働者派遣法第26条で「派遣労働者を特定することを目的とする行為の制限」として禁止されている立派な違法行為となる。
このほか、個人を特定するような履歴書やキャリアシートの事前送付も同様に違法行為となる。既に国内の派遣労働者数は236万人(平成15年度=厚生労働省調べ)にまで増加、その売上高は2兆円を超えるまでに成長しており、42万の国内事業所で派遣社員が使われている現状を考えると、労働市場の一翼を担う巨大勢力だけに横行する違法行為を見過ごすことはできまい。
実際にPJが今年のはじめ、株式公開をしている大手派遣会社数社に派遣社員を依頼したところ、どの会社も事前のキャリアシートをFAXまたはメールで担当者宛に送付し、また、事前面接を行っていた。NPO法人派遣労働ネットワーク(東京都新宿区、理事長・中野麻美弁護士)が昨年2月から7月にかけて実施した「派遣スタッフアンケート2004」においても、85%の派遣社員が事実上の「事前面接」があったと回答しており、違法行為が野放しになっている事実は拡大しているという。
一方、行政も率先して野放しにしているわけではない。労働者派遣事業を営むには厚生労働大臣の許可が必要で、支店に置かなければならない派遣元責任者は、5年毎に派遣元責任者講習を受講しなければならない。PJ自身が実際に受講したその講習でも再三にわたり、役人が事前面談や履歴書の事前送付が違法であることを徹底しているし、当日全員に配布される派遣元責任者必携の中にも明記されている。また、厚生労働省から派遣先企業の業界団体への通達が出ている例も見られる。
派遣元企業からすれば、派遣先企業のためにやっていることだ、と開き直るかも知れない。逆に派遣される労働者も派遣先を事前に見学したいという要望もあるだろう。しかし、労働者派遣事業というものは本来、派遣先企業の要望をくまなく聞いて、拒否されないようなベストマッチの人材を登録者の中から探し出し、かつ、派遣先企業の詳細を正確に登録者に伝えるという幾重にもわたるプロセスが求められるプロフェッショナルなサービスである。そのプロとしての職務怠慢と企業努力の欠如の結果、派遣先企業に採否を依存せざるを得ず、このような違法行為が横行する結果となっている。さらに、2兆円市場をめぐる競争激化の末「みんなで渡れば怖くない」という業界内のモラル欠如もこの状況を後押ししている。
もしも、事前面接を前提としなければ、労働者派遣事業自体が成り立たないのであれば、法律を改正し、弱い立場の派遣労働者を保護するための制度を作らなければならないだろう。雇用される側の労働者は、告発すればその派遣会社から派遣先を紹介してもらえなくなるのではないか、という不安の中、大きな声で訴えることが出来ずにいる。少なくとも、現行の法律を多くの許可事業者が犯している事実を行政は正確に認識し、許可の取り消しや罰則の強化を含めた、もっと厳しく指導していくべきではないだろうか。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 國分 裕之【 神奈川県 】
この記事に関するお問い合わせ / PJ募集
このほか、個人を特定するような履歴書やキャリアシートの事前送付も同様に違法行為となる。既に国内の派遣労働者数は236万人(平成15年度=厚生労働省調べ)にまで増加、その売上高は2兆円を超えるまでに成長しており、42万の国内事業所で派遣社員が使われている現状を考えると、労働市場の一翼を担う巨大勢力だけに横行する違法行為を見過ごすことはできまい。
実際にPJが今年のはじめ、株式公開をしている大手派遣会社数社に派遣社員を依頼したところ、どの会社も事前のキャリアシートをFAXまたはメールで担当者宛に送付し、また、事前面接を行っていた。NPO法人派遣労働ネットワーク(東京都新宿区、理事長・中野麻美弁護士)が昨年2月から7月にかけて実施した「派遣スタッフアンケート2004」においても、85%の派遣社員が事実上の「事前面接」があったと回答しており、違法行為が野放しになっている事実は拡大しているという。
一方、行政も率先して野放しにしているわけではない。労働者派遣事業を営むには厚生労働大臣の許可が必要で、支店に置かなければならない派遣元責任者は、5年毎に派遣元責任者講習を受講しなければならない。PJ自身が実際に受講したその講習でも再三にわたり、役人が事前面談や履歴書の事前送付が違法であることを徹底しているし、当日全員に配布される派遣元責任者必携の中にも明記されている。また、厚生労働省から派遣先企業の業界団体への通達が出ている例も見られる。
派遣元企業からすれば、派遣先企業のためにやっていることだ、と開き直るかも知れない。逆に派遣される労働者も派遣先を事前に見学したいという要望もあるだろう。しかし、労働者派遣事業というものは本来、派遣先企業の要望をくまなく聞いて、拒否されないようなベストマッチの人材を登録者の中から探し出し、かつ、派遣先企業の詳細を正確に登録者に伝えるという幾重にもわたるプロセスが求められるプロフェッショナルなサービスである。そのプロとしての職務怠慢と企業努力の欠如の結果、派遣先企業に採否を依存せざるを得ず、このような違法行為が横行する結果となっている。さらに、2兆円市場をめぐる競争激化の末「みんなで渡れば怖くない」という業界内のモラル欠如もこの状況を後押ししている。
もしも、事前面接を前提としなければ、労働者派遣事業自体が成り立たないのであれば、法律を改正し、弱い立場の派遣労働者を保護するための制度を作らなければならないだろう。雇用される側の労働者は、告発すればその派遣会社から派遣先を紹介してもらえなくなるのではないか、という不安の中、大きな声で訴えることが出来ずにいる。少なくとも、現行の法律を多くの許可事業者が犯している事実を行政は正確に認識し、許可の取り消しや罰則の強化を含めた、もっと厳しく指導していくべきではないだろうか。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
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