今、ネット上で「トンデモ建築」というキーワードで画像検索すると、ありとあらゆる奇抜な形をした建築物がヒットする。そして、これらを見ていると大半が中国に存在することに気が付く。彼らのセンスが世界に追いついていないのか、世界が彼らのセンスに追いついていないのか。実用性軽視、見た目重視のデザインが多いのだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 今、ネット上で「トンデモ建築」というキーワードで画像検索すると、ありとあらゆる奇抜な形をした建築物がヒットする。そして、これらを見ていると大半が中国に存在することに気が付く。彼らのセンスが世界に追いついていないのか、世界が彼らのセンスに追いついていないのか。実用性軽視、見た目重視のデザインが多いのだ。

 中国メディア・今日頭条は6日「日本人の人にやさしいデザインは、技術的に高いレベルではないのにどうしてこんなに多くの人から愛されるのか」とする記事を掲載した。

 記事は、水の勢いに加えて座り心地の良さまでが配慮された日本の温水洗浄便座の例を示したうえで「人にやさしいデザインこそが、消費者の心を動かすのである」と説明。そのうえで、日本で人にやさしいデザインが生みだされる背景について「ムダを省いたリーン生産方式が素養となっている」、「一生かけて1つの仕事をする匠の精神」、「行動に対する深い研究をベースに、細部にこだわる」、「現代的な感覚と、伝統文化の有機的な結合」、「子どもに対する配慮」と言った点から解説した。

 そのうえで、現在多くの場面においてデザインが要求されている中国では「やり過ぎたデザイン」の現象が明らかに存在すると指摘。「こういった、担うべき基本任務からかけ離れたデザインは、われわれの生活を浮ついた製品と空間で満たしてしまう」、「問題は、そこに『ハイクオリティな生活には大量の富や財産のベースが必要だ』という巨大なミスリードが含まれていることだ」とし、このような状況が「われわれの生活の品位を高め、上質な生活を享受するうえでの実に大きな障害になっている」と論じた。

 そして最後に「シンプル。われわれの生活をもっとシンプルにしよう」と呼びかけている。

 日本も高度成長の末期からバブル崩壊前にかけて、とにかく派手さやゴージャスさを求める風潮があった。それがバブル崩壊、環境保護意識の高まりなどによって、シンプルライフを求める方向へと進んでいったのである。今の中国における「トンデモ建築」や、実用性を無視した見栄えオンリーの各種デザインは、まさに記事が指摘するような「カネに浮かされた、浮ついた」ムードから生みだされているものと言える。きっといつか、ほとぼりが冷める日がやって来るに違いない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)