平成16年度・警察白書より

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 警察庁交通局が発表した統計(本年度2月に発表)によると、昨年度の交通事故の発生件数は95万2191件(前年比+0.4%)、うち死亡事故は7084件(同−5.0%)だそうだ。死亡事故が減少してきた要因について、警察庁では「シートベルト着用率やチャイルドシートの使用率が、年々向上してきているのが理由」と推察している。

 そしてさらに飲酒運転による交通事故は、前年に比べて大幅に減少(同−1196件、−7.3%)している。過去10年間で約3分の1にまで減った計算だ。平成14年6月より改正道路交通法令が施行され、飲酒運転に対する罰則が厳しくなった。その効果は着実に現れているようだ。

 だが、死亡重傷率をみてみると、飲酒運転による死亡重傷率は、飲酒なしに比べておよそ2.2倍と相変わらず高い。先日も宮城県で酒酔い運転をした挙句、高校生の列に突っ込み、25人もの死傷者を出したという痛ましい出来事があったばかり。

 そんななか、アメリカのフロリダ州で画期的な装置が開発されたという。日本に比べて、自動車大国アメリカの飲酒運転事情はとても悪く、昨年度、飲酒運転による死亡者は推定1万6654人に上り、交通事故死亡者の約40%を占めたそうだ。

 デニス・ベレフメール氏が発明したその装置は、飲酒量を計る「センサー」だ。ハンドルやグローブに取り付けて運転者の飲酒量を測定し、アルコールの法定制限を超えている場合は車の発進をストップさせるという。

 この装置が画期的なのは“皮膚センサー”を用いたことだ。これまでもアルコール濃度を測定する装置はあるにはあったが、警察の検問でもおなじみの、運転者の吐き出した息から測定するタイプがほとんどだった。そしてそれらは、ドライバーが自ら能動的に計らなければいけなかった。

 一方、この装置を用いれば測定を自動的に行ってくれる可能性が出てくる。現状では「手袋して運転した場合はどうなるの?」とか「ハンドルにカバーをかけたら意味ないんじゃない?」なんて疑問が尽きないし、コストもおよそ600ドルと割高でまだまだ改良の必要があると思うが、“測定を自動で行う”こと自体は必要ではないだろうか。

 例え10年間で3分の1にまで減少しようとも、飲酒運転による事故が起こり、犠牲者が出る限り、なんらかの対策が必要なのは言うまでもない。(文/verb)