手芸と恋と戦争と「べっぴんさん」6話。1週めを一気に復習

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連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第1週「想いをこめた特別な品」第6回 10月8日(土)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:梛川善郎


6話はざっとこんな感じ


すみれ(芳根京子)が幼なじみの潔(高良健吾)に淡い想いを抱いていることを認識したとき、彼は召集令状を受け取っていた。

戦争の影が色濃くなってきた


「昭和17年、神戸の街ははじめて空襲を受けました」(ナレーション/菅野美穂)

戦後のシーンからはじまった「べっぴんさん」。その冒頭以外は5話まで主に神戸のお金持ちの家に生まれた女の子のキラキラした生活ぶりを描いていたため、それと比べると6話はちょっとトーンにかげりが。

戦争はお金持ちの家にも影を落としていた。制服は着物を直したもんぺ。お弁当はわびしい日の丸弁当(梅干し一個)。貴族院議員として政治の世界に入っているお父さん坂東五十八(生瀬勝久)は商いを縮小、奉公人に暇を出す。英語の授業もなくなって、当然、英語も使用禁止になっている。

だが、25歳の大人の若者に成長した潔(高良健吾)はハイカラなバイクで颯爽と登場する。実は召集令状を受け取ったため、やややけになっているようだ。
高良健吾、「おひさま」(11年)に続けてまたしても招集されちゃう役。しかし、大河ドラマ「花燃ゆ」(15年)の高杉晋作役を経た高良健吾はすっかり成長し、大志のありそうな顔になっている。

すみれのお友達


「べっぴんさん」は主人公のすみれが、亡くなった母(菅野美穂)や出入りの靴職人(市村正親)の影響で手仕事に目覚め、「想いのこもった別品」を作りたいと、3人のお友達と「キアリス」という衣料メーカー(モデルはファミリア)をつくるお話。
母の言葉「勇気、愛情、信頼、希望 それが全部そろうと幸せになれるの」の象徴・四葉のクローバーと友達4人が重なる寸法だ。

1話でキアリス20週年記念パーティーに並んだ3人のうちふたりは、学校ですみれと手芸クラブをやっているご学友の君枝(土村芳)と良子(百田夏菜子)。もうひとりは、すみれの家の使用人の娘・明美(谷村美月)。
彼女は2話ですみれと出会い貧富の差を見せつけられていて、6話でも、母が暇を出され困ってしまったため、再び金持ちの家にいやな印象をもつ。
そんな彼女がすみれの仲間になるわけだが、それはまだ先の話。

女優が気になる


「べっぴんさん」では、主人公と対象的な存在が、この明美と、もうひとり性格が全然違う姉ゆり(蓮佛美沙子)がいる。彼女とすみれはどうやら2週で潔を巡って何かありそうだ。
すみれと対極をなすふたりを蓮佛と谷村という演技派にしてあるところが盤石。
一方、ご学友の土村と百田はこれから期待されるフレッシュな俳優たち。
百田は、ももいろクローバーのメンバーとして認知度が高いが女優としては近年注目されている存在で、土村は、黒木華も学んだ京都造形芸術大学在学中、林海象監督に見出され、実験的な映画「弥勒」
の少年という異色な役をやっている個性派。10月15日公開の「何者」にも出演する。
こんなふうにキャスティングも虹色で、2週も楽しみ。

お母さんは刺繍のタペストリーに?


5話で亡くなってしまったすみれのお母さん(菅野美穂)はナレーションとして娘を見守っていく。
すみれが悩んでいるとき、お母さんが残した美しい刺繍のタペストリーが背後に映ったが、お母さんはこの刺繍となって生きているってことだろうか。
「ごちそうさん」(13年)では祖母がぬか床になり、「まれ」(15年)では魔女姫人形が語り・・・と語り部がモノに宿ることは朝ドラでは珍しくない。
(木俣冬)