医師と患者が男女の関係に…?!

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「医師が入院中の患者に手を握られたらどうする?」――。こんな試験問題が医学部学生の参考書に出され、インターネット上で話題になっている。

「医療と関係ないだろう」「男女の問題じゃん」「医者も大変だな」といった反響が出ている。ただ、当事者である医師にとっては、患者を恋愛対象として見るのは珍しくないらしい。

「入院中の患者に手を握られたらどうする?」

きっかけは「池田」さんが2016年9月30日にツイートした、参考書の1ページを撮った写真。こんな問題文が書かれている。

「入院中の患者。以前から好意的な態度を示しており、突然診療中に手を握ってきた。医師として適切な対応はどれか」

選択肢は次の5つだ。

(a)どうしたのか聞く。
(b)何もせずにそのまま握らせておく。
(c)黙って手を払いのける。
(d)手を握り返す。
(e)「何をするんですか」と怒鳴る。

ツイートは10月6日までに8200以上リツイートされた。J-CASTヘルスケアの取材に答えた「池田」さんによると、参考書はメディックメディア社の『クエスチョン・バンクCBT 2017 vol.1(第10版)』だ。「CBT」とは医学の知識を総合的に理解しているかを問う試験で、この本は「CBT」の過去問集だ。医学部4年生にとって必須な試験対策本。「池田」さんは「多くの方が使っているようです」と話している。

正答は(a)の「どうしたのか聞く」で、同書の解説によると、患者は医師に両親や恋人の姿を重ねやすく、親密なコミュニケーションをとりたがる。そんな時は、冷静に患者の心情をたずねるのがよい。一方、「握らせておく」「握り返す」といった対応をとると、「誤解されてしまう」。患者の感情に拍車がかかるというわけだ。逆に「手を払いのける」「怒鳴る」のは、良好な患者・医師関係を妨げ、患者が抱える問題の解決にもならないそう。

ツイートの設問に対しては「ロマンチック」「くだらない」「もっとほかに勉強することあるだろうに」と、冷ややかな反応が多かった。

ところで、医師と患者が恋に落ちるケースは現実には結構多くあり、治療に支障が出る場合もあるようだ。

医師の35%「患者と恋に落ちるのは仕方ない」

医療健康サイト「日経Gooday」は2014年12月24日、「医師2887人に聞いた『患者と恋に落ちるのってアリ?』」とする記事を掲載している。それによると、20〜70代の現役医師にアンケートをとったところ、「相思相愛になったことがある」のは全体で5.0%いた。また、「患者との恋」について意見を聞くと、「避けるべき」が65%に対し、「仕方がない」は35%だった。

アンケートでは、自由記述で医師が見解を寄せている。「患者との恋愛NG」派は、「倫理的におかしい」「他の患者との間で、治療法等で差が出る」「仕事中に冷静で公平な判断ができなくなる」と、医師としてのモラルや治療への悪影響を心配する。「なってしまって、後に困った」との声もあるが一体何があったのか。

一方、「OK」派は、「出会いは突然だ」「お互い人ですから」と、患者とはいえ恋心を抱くのは自然とする。「知り合いで2組います」と身近で結婚した例を挙げる人もいる。ただ、多くは「医療とは関係なく付き合えれば」と、公私混同は避けるべきと前置きしている。

外科医を名乗る男性はコラムサイト「ケイクス」で2015年1月16日、「たまーに、『あれっ』と思うほど美人だったり、すごくタイプの患者さんと会うことがあります。我々医者も人間ですし男ですから、そんな時はちょっと動揺します......が、なんとか動揺を見せずに淡々と診察する術は心得ております」と気持ちを制御しながら治療にあたっている様子を明かす。

え治療中に「ビビビときて」

患者として医師と出会い、入籍に至ったケースは芸能界に多い。歌手の松田聖子さんは、6歳年下の歯科医と1998年5月に再婚した。同年5月26日付の日刊スポーツは聖子さんの挙式会見の模様を報道している。それによると、聖子さんは親知らずと歯並び矯正の治療を受けた時、「ビビビッときた」そうで、治療中に会話するうち交際に発展。「出会ってから3週間で結婚を決めた」といい、歯科医の男性からプロポーズした(2000年に離婚)。

女優の泉ピン子さんも、大腸がん検診の担当医だった男性と1989年に結婚。ピン子さんの出演ドラマで医療監修を手がけたこともあったという。

インターネット上では、担当医に恋して悩む患者の相談が見つかる。たとえばQ&Aサイト「教えて!goo」(2010年4月17日)には、恋した医師にお礼の品を渡し、連絡先を交換したいという患者の投稿があった。これに回答した看護師を名乗るユーザーは、医師の方は患者としてしかみていない人が多く、また、お礼の品をあげるのは恋愛感情にかかわらずよくあるため、「気持ちを伝えたければ、面と向かってデートに誘ってみるとか、手紙で気持ちを伝えるとか」と本気度を見せるべきと助言している。

「恋の病」を治すのも医師の仕事なのだろうか。