少年は現在22歳になったものの、犯罪に手を染める(出典:http://www.couriermail.com.au)

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それなりの教育を受けたのにもかかわらず「読み書き」ができないまま卒業し、進学も就職も叶わなかった。2007年、豪ビクトリア州で、ある父親と息子がそういって州の教育省を訴えていた。結果は勝訴。親子は人々が驚くような損害賠償金を得ていたが…。

「初等教育を終わったというのに12歳の息子ボーは相変わらず読み書きができず、進学も就職もままならない。学校や教育省はこの責任を取り、ボーの今後の生活に対し十分な補償を。」

連邦裁判所で「息子ボーのために」と前代未聞の主張を繰り広げ、学校や教育委員会を強烈に批判した父親のピーター・アベラさん。大きな注目の中で親子はなんと勝訴。1億円を超す損害賠償金を受け取り、後に無償で自動車も与えられた。世間はこれに「教育機関に関しては文句を言った者勝ちなのか」と仰天したという。

しかし22歳になっていたボーは、このほどメルボルンの駐車場で約20万円相当という古い日本車を盗んで警察のお世話になった。その腕には大きな入れ墨が彫られ、中指を立てる生意気そうな顔のあちこちにはパンクなピアスがギラリ。世間は「働きもせずに大金も車も十分な社会保障も得て、なお他人の物まで横取りしようとするのか」と激怒し、ボーはまたしても非難の的となった。

父親主導のもと裁判に勝訴、14歳で大金を得てからのボー少年の約8年間は、お金の使い道すら理解できず、時間を持て余しているにもかかわらず、普通のティーン達が経験している学業、スポーツ、サークル活動、友人関係の構築などのすべてが欠けていた。それもこれも「努力して読み書きを覚え、学び続け、汗水流して働くように」と導いてくれる人が周囲にいなかったためだ。

それでも職業教育機関(TAFE)で自動車整備工の訓練を受け、間もなく修了するところであったというボー。このたびの窃盗事件でその事実を認めた彼は、豪メディア『A Current Affair』に「ドラッグの類はすべて経験した。お金はどんどんドラッグに消え、薬物依存と闘う日々を送っている」とも告白している。心理学者のカイリーン・エヴァース博士はこんなボーについて「世間のスポットライトの中、12歳にして裁判に臨み大金を勝ち得た。このこと自体が幼い心に大きな傷を負わせ、彼にそれと闘う人生を強いたと言えるでしょう」と感想を語っている。

出典:http://www.couriermail.com.au
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)