金正恩夫妻とモランボン楽団

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北朝鮮の朝鮮中央通信は1日、米国務省が北朝鮮国内への外部情報流入を強化する方針を示したことを非難する論評を配信。「新たな『人権』茶番劇を演出しようと考案した汚らわしい『ごみ拾い』にすぎない」などと、口をきわめて罵倒した。

米国務省の民主主義・人権・労働局は先月20日、国内外の人権団体や研究機関を対象に、北朝鮮の人権改善のための事業を公募。情報流入など3つの分野で、265万ドルの支援を行うと発表している。

正恩氏の「わいせつ動画」

北朝鮮への情報流入を巡っては、すでに韓国の民間団体などが取り組んでいるが、米国が政策化するとなると規模が変わってくる。北朝鮮が嫌がるわけだ。

ところで、北朝鮮当局が国内への流入を止めたがる情報は、大きく分けて2種類ある。ひとつは韓流ドラマやハリウッド映画など、外国の自由で豊かな社会の実像を伝えるものだ。

そしてもうひとつが、北朝鮮の国家や社会、そして金正恩党委員長ら「ロイヤル・ファミリー」について解説した海外のドキュメンタリー番組や書籍である。

デイリーNKジャパンは近く発表するムック『脱北者が明かす北朝鮮』の中で、韓国でタレントとして活躍する脱北女性、キム・アラさんのインタビューを行っている。その中でアラさんは、「北にいた時は、自分の国について何も知りませんでした。韓国へ来て初めて分かったことが多い」と語っていた。

たとえば、北朝鮮の憲法や法律は、人民は皆平等ですべての人権が完璧に保証されている、などとする美辞麗句で固められている。それが大嘘であるのは説明するまでもなかろうが、現実との乖離に国民が憤るのを恐れ、あえて周知させないようにしているのだ。

そして、北朝鮮当局が何より警戒するのが、「喜び組」など権力の恥部情報が国内で拡散することだ。

そんなものが多くの国民の目に触れれば、正恩氏が本気で軽蔑されてしまい、いかに思想教育を強化し、いかに恐怖政治を徹底しようとも、いずれ体制のタガがゆるんでしまうと考えているのだろう。

しかし実際のところ、そんなことを気にしたところで、すでに手遅れではないかと筆者は考えている。情報統制の厳しい北朝鮮においても、権力者のスキャンダル情報、それも「下ネタ」の類は、口コミで驚くほど広範囲に拡散する。さらには、金正恩氏の「わいせつ動画」までが存在するとの情報もある。

(参考情報:金正恩氏が登場する「わいせつ動画」の怪情報

正恩氏は自分の権威を保ちたいなら、姑息な情報統制を行うより先に、少しは国民のためになる施策に取り組むべきだろう。