『おやすみ人面瘡』(白井智之/KADOKAWA)

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 『人間の顔は食べづらい』『東京結合人間』でミステリ界を騒然とさせた鬼才、“鬼畜系特殊設定パズラー”こと白井智之の最新作『おやすみ人面瘡』が2016年10月1日(日)に発売された。

 第34回横溝正史ミステリ大賞の最終候補作となった『人間の顔は食べづらい』でデビューした白井。食糧危機を回避するため、人間のクローンを食用に飼育している世界を舞台にした推理劇を描き、惜しくも大賞は逃すものの選考委員の有栖川有栖と道尾秀介の推薦を受けてデビューが決まった。

 2015年に刊行した第2作『東京結合人間』では、男と女が互いの身体を結合させた「結合人間と」なり特殊な生殖を行う世界で、結合の過程で“一切嘘がつけない”障害を持って生まれた7人が孤島で殺人事件に巻き込まれる。この『東京結合人間』で綾辻行人は同氏を“鬼畜系特殊設定パズラー”と称した。さらに同書は「2016本格ミステリ・ベスト10」「このミステリーがすごい!2016年版国内編」にランクインし、日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)の候補作となるなど、ミステリ界の注目を集めている。

 今回発売された『おやすみ人面瘡』は、全身に“脳瘤”と呼ばれる“顔”が発症する奇病“人瘤病”が蔓延した日本が舞台。人瘤病患者は「間引かれる人」を意味する「人間」という蔑称で呼ばれ、その処遇は日本全土で大きな問題となっていた。そんな中、かつて人瘤病の感染爆発が起きた海晴市で、殺人事件が起きる。墓地の管理施設で人瘤病患者の顔が潰され、地下室では少女が全身を殴打され殺されていたのだ。容疑者は4人の中学生。さらに、事件の真相を見抜いた男は、逆上した容疑者のひとりに突き飛ばされ、机の角で頭を打って死亡してしまった……かと思いきや、死んだはずの男の身体に発症した、いくつもの“顔”が喋り始め――。

 探偵の身体に発症したいくつもの“顔”が同じ手がかりから幾通りもの推理を繰り広げ、やがて物語は予想を超える結末へと収束してゆく。独特の世界観で緻密に織りなされるミステリー。狂気の本格推理にあなたは度肝を抜かれるだろう。

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