もし今離婚をしたら「子どもの養育費」はいくらになるのか?

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残念ながら離婚という道を選ぶことになっても、子どもにとって、親はいつまでも親。親権者であってもそうでなくても、親としての責任はきちんと果たしたいものです。

子育てに必要不可欠な養育費のこともきちんと話し合って、納得できる方法を選びましょう。

 

■1:養育費について

養育費は、離婚したら必ずもらえるというものではありません。きちんと手続きを踏んで請求することが必要です。では、具体的にどのような手続きが必要なのでしょうか? また金額はどのように決まるのでしょうか?

(1)養育費を請求できるのは誰か?

養育費の請求権は子どもの権利です。離婚後に親が権利を放棄しても、子ども自身が請求できる場合もあります。通常は、子どもを監護する親(監護親)が、子どもを監護しない親(非監護親)に対して、子育てのために必要な費用を請求します。

(2)請求できる水準について

養育費の支払義務は、“生活保持義務”といわれ、離婚しても自分の生活と同程度の生活を、養育費を受けとる側にも保持させる義務です。子どもが“最低限”の生活をできればいいというものではありません。

実際のところ、多くの人はどのくらいの金額で折り合いをつけているのでしょうか? 裁判所の司法統計年報(平成16年度・11,083人)のデータより養育費の具体的な金額をみてみると、1ヵ月あたりに父が養育費として支払う額は、4万円以下が約38%と一番多く、次に2万円以下が約32%、1万円以下が約20%と続きます。6万円以下という方も約7%はいますが、10万円以下は0.69%、10万円を超えるという方は0.61%と1%にも満たない数字となっています。

(3)支払対象期間となる期間・子どもの年齢

養育費は原則として、請求してすぐから子どもが20歳になるまでもらえます。過去にさかのぼって請求することはできません。そのため、子どもを大学に進学させたい場合は、「大学卒業まで養育費をもらいたい」と離婚協議や離婚調停でしっかりと主張し、支払者を説得しなければなりません。合意にいたらなければ、裁判官の判断に委ねることになります。その場合は特別な事情がない限り、大学卒業まで養育費をもらうのは難しいといえます。

(4)最も大事な事

養育費は通常、月々の分割払いです。相手が支払い続けてくれるかどうか不安でも、一括での支払いを強制することはできません。相手次第では一時金として支払ってくれるよう依頼することもできますが、金額が多いと税金が発生することもあります。

毎月きちんと、最後まで支払ってもらえるよう、無理のない金額を設定することが大切です。離婚時はできるだけ冷静になり、養育費を慎重に協議しましょう。

 

■2:養育費はどの様に決まるのか?

養育費の額は、「一般的にはこのくらい」と算定する表はあるものの、元配偶者や自分の収入・財産を基に、話し合いで決まります。離婚したといっても、子どもの生活と将来のためには、建設的に話し合いをしたいですね。

(1)養育費の算定に関わる要素

養育費は子どもの生活を守るためのものですので、非監護親が「生活が苦しいから払えない」「余裕がある場合に支払えばよい」というものではありません。非監護親は自分の生活水準を落としてでも支払う義務があります。ただ非監護親の収入やローンの状況、監護する子どもの人数と年齢などによって負担額は変わってきます。

(2)養育費算定の手順

離婚および養育費の金額や支払方法の話し合いは、当事者間での離婚協議からはじまり、調停員を介しての離婚調停と進み、最終的に離婚審判ないし離婚訴訟の場で裁判官に決めてもらうことになります。金額については、話し合いもありますが、婚姻費用と同様に“養育費算定表”というものを用いて算出することが多いそうです。

(3)養育費算定表とは

裁判所のホームページからダウンロードできる“養育費算定表”は、養育費の相場を知るための指標です。子供の人数(1〜3人)と年齢(0〜14歳、15〜19歳)に応じて、19の表に分かれています。表の横軸は、権利者(子どもを養育している親)の年収です。縦軸が義務者(養育費を支払う義務のある親)の年収です。

例)10歳と14歳の2人の子どもを養育する場合

支払い義務者の年収が500万円、権利者の年収が250万円(ともに給与所得者)だとすると、養育費の目安は4〜6万円ということになります。

 

■3:養育費の増額・減額・支払い遅延など

ボーナスはおろか、給料もカットされる時代。途中で支払いが遅れたり、金額を減らしてくれとお願いされたりするかもしれません。また、学費などでお金がもっと必要な際に、増額してもらえる可能性はあるのでしょうか?

(1)養育費の増額・減額のケース

離婚後の生活をしていく中で事情が変わった場合、お互いに養育費の増額・減額の請求ができます。例えば、子どもが多額の医療費がかかる病気を患ったり、進学に特別な費用が必要になったりした場合は増額の主張ができますし、反対に元配偶者が再婚して新たに子どもが生まれた場合には、減額を請求されることもあります。

ただ多少の事情変更では増額や減額の請求は認められません。当事者同士でよく話し合い、まとまらなければ裁判所に離婚調停や離婚審判を申し立てる必要があります。その際には法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

(2)養育費が支払われなくなったらどうするか?

養育費の支払いを定めたのに支払われない場合、履行勧告および履行命令といって、家庭裁判所から相手方に支払勧告や支払命令をしてもらうことができます。しかしながら履行勧告には強制力がなく、履行命令も不履行の罰則が軽いため実行力があまりありません。

この時に“強制執行”ができるよう、離婚協議書は必ず“公正証書”でつくっておきましょう。そうすれば養育費は子どもの生活にかかわる大切な権利のため、強制執行で相手方の給与の2分の1までを債権として差し押さえることができます。

また支払いが滞っている状況があれば、債権の期限前でも申し立てをすることができ、滞納があるたび何度も強制執行をする必要はありません。ただ給与差し押さえの弱点は、相手方が退職すると養育費の回収が困難になることです。相手方の性格をよく考えて、給与の差し押さえをすべきかどうか、そのほかに強制執行できそうな財産はあるのかどうかを慎重に検討する必要があります。

(3)夫・妻が再婚した場合の影響

養育費をもらっていた親が再婚後も養育費をもらえるかどうかは、子どもを“誰の子どもにしておくか”がポイントとなります。新しい夫と子どもを養子縁組みすると、前夫から養育費はもらえません。

反対に新しい夫と子どもを養子縁組みしないと、子どもには新しい夫の遺産を相続する権利はありません。離婚・再婚時には元夫の懐事情と新しい夫の財産を、入念に検討したほうがよさそうです。

 

離婚にいたる理由は夫婦ごとにさまざま。どのような離婚でも心労は多いことでしょう。権利ばかり主張するとギスギスしがちですが、子どもの生活と将来のため、できるだけ冷静に養育費を確保したいですね。ポイントとしては、入念な話し合いをすることと、離婚協議書は公正証書でつくることのようです。

 

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