許世楷氏(2015年8月)

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(台北 8日 中央社)陳水扁政権(2000〜08年)などで台北駐日経済文化代表処の代表(大使に相当)を務めた許世楷氏は8日、台北市内で開かれた南シナ海問題とアジア太平洋地域の平和に関する国際シンポジウムで講演し、蔡英文総統の対中国大陸政策などについて語った。

許氏は、蔡総統が対中国大陸政策で「現状維持」を掲げ、「一つの中国」の原則を前提とする「92年コンセンサス」を受け入れないことは、台湾の人々の願いに沿うものだと称賛。これは「台湾は中国の一部ではなく、併合しない」を意味するとした上で、論理的に推理することによって導き出される答えは、「台湾独立」だとの考えを示した。

台湾独立運動の中心人物としても知られる許氏。この日の講演ではさらに、中華民国は1949年にすでに滅んでおり、(陳政権が行った)台湾名義での国連加盟申請は事実に基づくものだと主張。中華民国憲法についても、「台湾憲法ではなく、台湾にも適さない。憲法は台湾国民によって制定されなければならない」とした。

シンポジウムには蔡総統もゲストとして登壇し、両岸(台湾と中国大陸)関係について、5月20日に行われた自身の就任演説で「非常に大きな善意」を示したと強調。また、台湾側は圧力には屈せず、かつての対立路線に逆戻りしようとも思っていないと語り、大陸側に改めて対話を呼びかけた。

就任演説で蔡総統は、両岸双方が92年コンセンサスを確認したとされる1992年の会談を、歴史的事実として「尊重する」と述べたが、同コンセンサスや「一つの中国」については言及していない。

(呂欣ケイ/編集:杉野浩司)