行き先は国民党系の県市のみ  中国大陸企画の台湾観光ツアーが波紋

写真拡大

(台北 8日 中央社)中国大陸の旅行会社が企画した台湾観光ツアーが波紋を呼んでいる。行き先は野党・国民党系の政治家が首長を務める8県市のみで、大陸客に人気の高い台北101(台北市)や阿里山(嘉義県)などは含まれていない。

同ツアーについて、対中国大陸政策を担当する大陸委員会の邱垂正副主任委員は6日、首長の所属政党や政治的立場で区別するようなやり方は受け入れられないと強調。両岸(台湾と大陸)の人民の対立を激化させるものだと批判した。

ツアーの訪問先に選ばれた8県市(新北市、新竹県、苗栗県、南投県、花蓮県、台東県、連江県、金門県)では先月、中国大陸客を呼び込むために県長や副市長などが大陸を訪問。大陸側で「92年コンセンサスを堅持する地方のリーダー」と呼ばれた。これら県市の首長はいずれも国民党籍もしくはそれに近い立場を取っている。

台湾では2008年以降、国民党の馬英九前政権が「一つの中国」の原則を前提とする同コンセンサスに基づき中国大陸との交流を促進。大陸からの旅行者数も大きく伸びた。だが、コンセンサスの受け入れを拒む民進党の蔡英文政権発足以降は減少しており、先月には観光業者らによる抗議デモも起きている。

邱氏によると、蔡政権が誕生した5月20日から10月4日の間に台湾を訪れた中国大陸の旅行者数は前年同期比で27.1%減少。個人客は1.4%減にとどまったが、団体客は45%の大幅減となっている。

(葉素萍、陳家倫/編集:杉野浩司)