2012年ドラフト会議を振り返る

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 4年前の2012年、この年のドラフト会議はメジャー挑戦を表明した花巻東・大谷翔平を日本ハムが宣言通り強行指名。春夏甲子園優勝投手・大阪桐蔭の藤浪晋太郎は4球団が競合し阪神が交渉権を獲得した。

 また、大学生では東都大学リーグの通算奪三振記録を樹立した亜細亜大・東浜巨に3球団が競合。ソフトバンク・王貞治会長が当たりクジを引き当てた。

 前年、前年に日本ハムの1位指名を拒否し、浪人した菅野智之は、相思相愛の巨人が1位指名した。

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■新人王は両リーグとも2位指名の選手が受賞

 この年の1位指名の選手を見ると、際立っているのは大谷、藤浪、菅野の活躍だ。

 1年目から「二刀流」で出場した大谷は今年、10勝を挙げ3年連続2ケタ勝利を達成。打者としては22本塁打をマークし「10勝、20本塁打」という前人未到の記録を成し遂げた。

 藤浪は今季こそ7勝に終わるも、入団1年目から昨年まで3年連続2ケタ勝利と高卒1年目から活躍。菅野は一昨年に13勝を挙げMVPを獲得し、今季は最優秀防御率、最多奪三振の二冠を達成。巨人のエースに恥じない結果を残している。

 ほかにも今季9勝で飛躍した東浜、リリーフの一角を担う西武・増田達至、ロッテ・松永昂大、中日・福谷浩司、先発の一角を担うオリックス・松葉貴大と、ドラフト1位は活躍している選手が多い。

 そんな逸材が揃うなか、2013年に新人王を獲得したのは、両リーグとも2位指名の投手だった。ヤクルト2位の小川泰弘は左足を大きく上げる独特な「ライアン投法」で開幕から勝ち星を積み重ねた。結果16勝を挙げ、菅野、藤浪との新人王争いを制し、セ・リーグの新人王を獲得する。

 パ・リーグでは楽天2位の則本昂大が田中将大(現・ヤンキース)に次ぐ15勝を挙げ、チーム初の日本一に貢献。田中のヤンキース移籍後はエースとしてチームをけん引し、今季は3年連続の200奪三振を記録した。

 同年の2位指名のなかから、今季一気にブレークしたのが広島・鈴木誠也だ。今季はキャンプ終盤にケガで開幕スタメンは逃すも、その後復帰しレギュラーに定着。圧巻だったのは6月の3試合連続決勝本塁打だった。その活躍に緒方孝市監督が「神ってる」とコメントするなど一気に知名度を高めた。

 広島が25年ぶりのリーグ優勝を決めた9月10日の巨人戦でも、2打席連続本塁打とその勝負強さを発揮。CSでもその活躍が期待される。

 阪神2位指名の北條史也は8月途中からショートに定着。前年の1試合から大幅に出場機会を増やし122試合に出場。チームスローガンの「超変革」を体現する選手の一人となった。

■トータルで見ると成功したのはロッテと西武か

 この年のドラフト指名を各チームごとにトータルで見てみると、前年に続き指名選手が4人と少数精鋭だったロッテの指名が目を惹く。2位の川満寛弥は今季限りで戦力外となったが、3位の田村龍弘は捕手出身の伊東勤監督によって育てられ、正捕手へと成長。5位の加藤翔平はプロ初打席で初球本塁打と鮮烈なデビューを飾り、今季は78試合出場と前年よりも出場機会を増やした。

 また、西武は3位の金子侑司が今季、球団史上4人目となるシーズン50盗塁を記録。オリックス・糸井嘉男と盗塁王争いを繰り広げた。4位の高橋朋己は一昨年、昨年と中継ぎ、抑えで大活躍。今季は左ヒジ手術でわずか7試合の登板に終わったが、来季の復活を目指す。5位の佐藤勇は高卒4年目の今季、プロ初勝利をマーク。今後の活躍が期待されるところだ。

 また、育成ドラフト1位の水口大地は昨季、支配下登録され、今季は1軍で20試合に出場している。2位の相内誠(誠)は1軍未勝利だが、育成指名の水口含め全員が1軍でのプレーを経験している。

 最後に、下位指名から成り上がった選手に目を向けてみよう。中日7位指名で若松駿太はローテーションに定着し、昨季は10勝、今季は7勝を挙げた。初めてCSに進出するDeNAは6位の宮崎敏郎がシーズン途中から5番打者に定着し、11本塁打と自慢の長打力を見せつけた。ソフトバンク6位の山中浩史は2014年のシーズン途中にヤクルトへ移籍。出場機会を増やし、今季は先発ローテーションの一角を担った。

文=武山智史(たけやま・さとし)

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