オリンピック・パラリンピックの影響は「非常にある・多少ある」が合計40%と半数に満たなかったものの、「事業戦略・事業計画」があると回答した会社は60%だった。

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 「後生畏(おそ)るべし」は「論語」の言葉。およそ2500年前の孔子さんが、自分より後に生まれる若者の「無限の可能性」をたたえた感嘆だ。日本資本主義の父・渋沢栄一が「論語と算盤」を唱えたように「論語」好きの経営者は多いが、現代の中小企業の経営者らは、孔子さんとはまた違った意味の「後世恐るべき」を胸に抱いているようだ。アメリカンエキスプレス・インターナショナル,Inc(東京)の調査によると、事業継承の将来計画がない中小企業は5割を超える。これでは将来が恐ろしくなるはずだ。

 調査は今年の5、6月に中小企業の経営者ら259人を対象に実施。それによると、東京オリンピックが開催される2020年に向けての「事業戦略・事業計画」は6割が「ある」と回答。具体的には「新規顧客の獲得」(43%)、「スタッフの能力向上と新しい技術のある人材確保」(40%)が上位に挙がった。また、56%の中堅企業がすでに「海外取引がある」か、「将来的には予定がある」と回答し、国内市場が縮小する中、アジアを中心にビジネスチャンスを模索する様子がうかがえる。

 しかし、さらなるビジネス成長が求められている一方で「事業継承のための明確な計画なし」との回答は半数を超える53%に。目先4年先の事業計画はあるものの、企業の根幹である事業継承の青写真は描かれていない不安定な状況が浮き彫りになった格好だ。

 「事業継承の課題」について最も多かった回答は、「次の経営陣になる人材の教育」(57%)。次いで「次の経営陣になる人材の確保」(55%)が続いた。孔子さんとは違って、いずれも、次世代の「無限の可能性」に賭けることができない社長さんたちの苦悩の表情が浮かぶ数字だ。

 現代の社長は、若者をしっかり教え育て一人前の「後継者」に育てた時、初めて「後生畏(おそ)るべし」を口にできるのかもしれない。