記憶を失った暗殺者『ジェイソン・ボーン』が9年ぶりに復活! カーチェイスシーンがスゴすぎて車酔いしそうなレベル【最新シネマ批評】

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[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかから、おススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

今回ピックアップするのは話題作『ジェイソン・ボーン』(2016年10月7日公開)です。

記憶を失った最強の暗殺者、ボーンを描いた3部作『ボーン・アイデンティティ』『ボーン・スプレマシー』『ボーン・アルティメイタム』は世界中で大ヒットしました。2007年に公開された『ボーン・アルティメイタム』でボーンの名前と正体が明らかになり、シリーズが終わったと思ったら、9年ぶりに最新作が登場! さて、ボーンはどこへ向かうのか?

【物語】

CIAの監視から姿を消し、静かな生活を送っていたボーン(マット・デイモン)は、元同僚ニッキー(ジュリア・スタイルズ)から「トレッドストーン計画」(CIA暗殺者養成プログラム)にボーンの父が関わっていたとの情報を得ます。ボーンの父はすでに亡くなっていますが、その死の謎を解明すべく、ボーンは再び動き出します。

しかしその動きを察知したのは、CIA長官デューイ(トミー・リー・ジョーンズ)。彼は殺し屋を放ちます。けれども、CIAのエージェントのひとりであるリー(アリシア・ヴィカンダー)はボーンに手を差し伸べるのです。その魂胆とは?

【ジェイソン・ボーンが帰って来た理由】

「ボーン」シリーズは、007シリーズのようにファンが多く、復活を願う声は止みませんでした。この新作の前にスピンオフとして2012年に公開された『ボーン・レガシー』(トニー・ギルロイ監督/ジェレミー・レナー主演)がありましたが、「ボーン」ファンは納得しなかったようです。そんなファンの声が後押ししたのか、9年ぶりにボーンが帰ってきてくれたのです。

復活するまで時間がかかった理由を、マット・デイモンはこう語っています。

「僕もスタッフもボーンというキャラクターの大ファン。だからこそ、準備が整わない状態で続編を制作したくなかった。ボーンの復帰にふさわしい時期まで待っていたんだ。僕はポール・グリーングラス監督がこの映画に着手するなら、僕もやる! と常に言っていたよ」

実はマット自身も、ジェイソン・ボーン復活にワクワクしていたようです。

「このシリーズは僕にとって家族のようなもの。誰もが復活はないと思っていたようだけど、実現した! まるで昔のロックバンドが再結成してツアーに出るようなものだね」

前作でボーンの正体がわかり、この先のストーリーをどう展開させるのかと思ったら、なんと父の死の真相を探るために、アテネ・ロンドン・ラスベガスを飛び回るボーン。

命を狙われ、逃げながら真相を追いかけるという全編スピーディな展開で、2時間あまり、ずーっとアトラクションに乗っているような感じなんです。「え、ボーン死んだ?」というような大変な目にもあったりして、アクションがよりハードになり、ハラハラしっぱなし!

そして、今回は美しいキャストが加わったのです。アリシア・ヴィカンダー演じるリーです。

【ボーンシリーズの大ファンだったアリシア】

『リリーのすべて』でアカデミー賞助演女優賞を受賞したアリシア・ヴィカンダーが「ボーン」シリーズに出演すると聞いて、私はちょっとビックリ。

北欧の美人女優で、アクションとは無縁のイメージがあったけど、実は彼女は、このシリーズの大ファンなのだそう。プロモーションで来日した際、このようなお話をしていました。

「何度も「ボーン」シリーズを見ていたし、グリーングラス監督とマットが再タッグを組むと聞いて興奮しました。出演が決まってセットに入って撮影が始まったとき、ファンだからか、なんだか不思議な感じがしましたね」

また、今回『ジェイソン・ボーン』が復活した要因のひとつに「現代社会の問題」をあげたのは、プロデューサーのグレゴリー・グッドマン。

「前作の続きをやるというより、現代社会の問題とボーンをリンクさせたかった。エドワード・スノーデンの告発、ウィキリークスによる暴露など、安全保障とプライバシーの確保というのは私たちが抱える問題だ。今回のボーンはこういった現実問題にアドレナリン全開のアクションを加えているんだよ」

そしてアリシアも「テクノロジーにも大きな変化があった。私の役はそれを象徴する役なんです」と語っていました。ちなみに彼女は、これから新作『トゥームレイダー』リブート版の撮影に加わるため、アクションの準備をするそうです。大作が続きますねえ、これもまた楽しみ!

本作では、CIA長官にトミー・リー・ジョーンズ、殺し屋にヴァンサン・カッセルも登場。個性派オヤジが脇をしっかりしめているので、作品としての安定感バッチリ。また、カー&バイクアクションはスピードと展開が凄すぎて、画面酔いしそうになりますから要注意!

前シリーズ3部作を見てから見るのもよし、また本作を見てから改めて「ボーン」シリーズを再見するのもよし。……というか、何度も見なおしたくなりますよ! ぜひご覧ください。

執筆=斎藤 香 (C) Pouch

『ジェイソン・ボーン』
(2016年10月7日より、TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー)
監督:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ、アリシア・ヴィカンダー、ヴァンサン・カッセル、トミー・リー・ジョーンズほか
(C)Universal Pictures

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