前半26分に先制点を決めたFW原口元気がガッツポーズ

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[10.6 W杯アジア最終予選 日本2-1イラク 埼玉]

 日本代表史上最上級と言っても過言ではない、鮮やかなカウンターアタックだった。前半26分、バイタルエリアでパスを回すイラク選手の背後からFW原口元気(ヘルタ・ベルリン)がボールをかすめ取ると、ボールはMF清武弘嗣の足元へ。それを見るや、複数の選手が一斉に全力疾走を開始した。

 中央をドリブルで駆け上がる清武がFW本田圭佑に預けて相手DFの裏を取ったとき、ド真ん中のコースからゴール前に押し寄せたのが原口だった。本田からパスを受けた清武の折り返しに右足ヒールで合わせ、相手GKの股間を抜けた。約80mのロングランから決めた貴重な先制点。9月6日のタイ戦(2-0)に続く2試合連続ゴールとなった。

「自分の良さが出た。あのボールの取り方は得意。そのあと出て行って、キヨくん(清武)(本田)圭佑くんが良いコンビネーションで崩してくれたので、良いところに入れた。決まって良かった」

 所属するヘルタでは見られない形のゴールでもあった。「ヘルタだと、あの位置には入れない。ヘルタだと、こぼれを狙う感じ。でも代表だと、オカさん(岡崎)がうまく見てくれて、僕が入るスペースがあった」と、ファーに逃げる動きでニアのスペースを空けたFW岡崎慎司に感謝した。

 縦に速い攻撃を目指すハリル流が示した一つの成果だ。「あれだけ速い攻撃ができれば、どんな相手にもチャンスができる」と原口が言うように、強い相手にこのカウンターは有効だ。だが、先制以降は攻撃の形をつくれなかったのも事実。それは課題であり、今後に向けた不安材料でもある。

「そこはしっかり考えて、監督からもいろいろとまた新しいアイデアが出てくると思う」。原口は言葉を選びながらそう言った。11日には敵地でオーストラリアと対戦する。「次はもっと強い相手。今日のようなプレーではやられる」とキッパリ。「もっと良い準備をしなければ勝てない。意味のある勝ち点3にするためには次が大事だと思う」と唇を真一文字に結んだ。

(取材・文 矢内由美子)


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