国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の大西卓哉宇宙飛行士は、日本の技術を使ってアメリカの無人宇宙船「シグナス」をISSにドッキングさせます。


無人宇宙船「シグナス」はアメリカのオービタルサイエンシズ社(OSC)が開発し、NASAとの契約で運行している民間宇宙船です。日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した宇宙ステーション補給機「こうのとり」の小型版といった形をしていますが、実は開発費を抑えるために「こうのとり」の部品も採用しています。


「こうのとり」は、カーナビと同じGPSを使ってISSに接近しますが、ある程度接近するとISSと直接通信してGPSの精度を高める「GPS相対航法」を使います。これに使うのが近傍通信システム「PROX」というもので、「こうのとり」用に開発して三菱電機が製造しているものをOSCが購入し、「シグナス」に搭載されました。


「PROX」は「こうのとり」とISSの通信システムなので、ISS側の装置もあります。これは日本の宇宙ステーション実験室「きぼう」に設置されているので、「シグナス」は「きぼう」と通信しながら接近することになります。このため、「シグナス」は過去5回のISSへの飛行の全てで、JAXAの「こうのとり」運用チームのサポートを受けました。


また「シグナス」のエンジンも日本製です。IHI製の人工衛星用エンジンが搭載されています。



そして2016年10月14日(UTC)打ち上げ予定のシグナス補給船「アラン・ポインデクスター号」では初めて、ISS側から宇宙船を捕まえる操作を日本人宇宙飛行士の大西卓哉さんが担当することになりました。


「シグナス」はISSから10mまで接近すると、ISSのロボットアーム「カナダアーム2」で掴まれて、ISSに結合されます。このアームを、現在ISSに滞在中の大西飛行士が操作するのです。「PROX」の製造、JAXA運用チームのサポートに加えて、ISSのロボットアームで「シグナス」を掴む操作まで日本側が担当するのは今回が初めてです。(※「シグナス」を掴んだあとのロボットアーム操作は、若田飛行士も担当したことがあります。)


現在、ISSを支える各国の無人宇宙船のなかで、日本の「こうのとり」は最大輸送力を誇ります。また「シグナス」には日本の技術が使われ、日本からのサポートで運用されています。ISSの運用に、日本の技術は欠かせない存在になっているのです。


Image Credit: NASA、JAXA


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