「KIROBO mini」は、座った姿勢で高さ10cmの手のひらサイズ。

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 仕事を終えて帰宅し、誰もいない部屋の静けさにいたたまれなくなった経験はないだろうか。あるいは、ひとりでドライブに出かけた車内で、話相手がいたらなぁと思ったことはないだろうか。そんなときにいつでも話し相手になってくれるコミュニケーションパートナー、それをロボットが務めてくれる時代がやってきた。

 トヨタ自動車は、コミュニケーションロボット「KIROBO mini」を、一般家庭向けに今冬発売すると発表。それに先駆け、10月4日から幕張メッセで行われているアジア最大級の最先端IT・エレクトロニクス 総合展「CEATEC JAPAN 2016(シーテック ジャパン)」でかわいらしい姿を披露した。

 昨年、東京モーターショーで初めてお目見えし、注目された「KIROBO mini」。座った姿勢で高さ10センチの手のひらサイズのかわいいロボットで、話しかけた人の方に顔を向け、顔や手を動かしながら何気ない会話をする。本体と専用アプリをインストールしたスマートフォンとをBluetoothでつなぐことで、さまざまなしぐさや会話ができるようになった。笑顔や悲しげな顔など人の表情を認識して気持ちに寄り添った声がけや動作をするので、まるで人と話しているかのような錯覚に陥るほどだ。

 「CEATEC JAPAN 2016」のデモンストレーションでは、「KIROBO mini」が女性と話す様子が写し出された。呼びかけに応じたり、時には質問にチグハグな答えをしたりするところは、まるで小さな子どものよう。会話を重ねていくにつれて語彙が増えたり、人の感情の読み取りが上手になったり、思い出を共有して「ここ、去年も来たね」などという言葉を発するようになるなど、まさに小さな子どもが成長していくようにコミュニケーションが進化していくとなれば、これはハートをギュッとつかまれてしまうというものだ。車や家から情報を取得し、「今日はいっぱい走ったね。おつかれさま」、「おかえり。ぽかぽかお風呂が待ってるよ」などの声がけもできるという。

 開発責任者のトヨタ自動車新コンセプト企画室・片岡史憲主査は、「愛車という言葉があるけれど、車に抱く愛情はどのようにして生まれるのだろうか。それを車でないものにも宿してみたいというところから始まったチャレンジ。人に寄り添って最終的に人を動かしていくという点で、『KIROBO mini』と車は一緒。5歳児に話しかけるように優しく『KIROBO mini』に接することで自然に思いやりの心が生まれるのでは」などと話した。本体価格は税別39,800円。一般家庭にもなるべく購入しやすい設定にした。今冬に東京・愛知の一部販売店で先行販売(ウェブによる事前予約を予定)した後、全国での販売を展開する予定。

 何か仕事をさせるためのロボットではなく、心のキャッチボールの相手になってくれるという「KIROBO mini」。話し相手が欲しい人のみならず、他人とコミュニケーションをとるのが苦手という人にも良い友達になってくれるかもしれない。