他人事じゃない!やりがちだけど「乳がんリスクを高める」生活習慣3つ

写真拡大 (全3枚)

小林麻央さんの乳がんが肺や骨にまで転移していることを公表したことで、注目を集めている乳がん。女性なら誰しも気になるところです。

乳がんは女性ホルモンとの関係が強く、初潮が早い、出産経験がない、初産が30歳以上の場合はリスクが高まるといわれていますが、こればかりはどうしようもないこと。

そこで今回は、NPO法人予防医療推進協会の理事長を務める筆者が、年齢にかかわらず今から注意したい乳がんリスクを高める生活習慣をご紹介します。

■1:高脂肪食

ファストフードや出来合いのお弁当に多い揚げ物。また炭水化物の摂取を避けるダイエットをしていると、つい「揚げ物は大丈夫!」と腹持ちの良さからも安心して食べている人もいるかと思います。しかし、脂質は体内で女性ホルモンを作る働きがあるため、過剰摂取は女性ホルモンの過剰生産の要因となります。

また、ファストフードや出来合いの揚げ物に含まれる油は酸化された脂質が多いのも気になるところ。どうしても油っぽいものが食べたい時は脂ののったサンマや鯵、イワシや鮭などの生活習慣の改善が期待できると言われている成分、オメガ3脂肪酸の多い魚類を食すようにしましょう。

■2:飲酒習慣

飲酒量(エタノール摂取量)が多いほど乳がんになりやすいことが分かっています。国立がん研究センターが行った約13年間に及ぶ追跡調査の結果、一週間の飲酒量がエタノール(酒類に含まれる純アルコール)換算で150gを超えるグループは、飲酒をしないグループと比べて75%も乳がんリスクが高いことが分かったそうです。

ちなみにエタノール150gとはビールなら大瓶約7本、日本酒で約7合、ワインで約14杯(1杯を120mlとした場合)です。これを1日当たりで計算するとビールなら大瓶1本(663ml)、日本酒で1合、ワインでグラス2杯(240ml)ですから、さほど大量でもない量です。350mlの缶ビール2本は飲むという人はできれば1本に留めるなど、少し控えた方がいいでしょう。

■3:夜のダラダラ食い

近年、ファスティング(プチ断食)に注目が集まっています。ファスティングはがん予防にも良いと聞いたことがある人もいるでしょう。

アメリカ・カリフォルニア大学の研究チームの発表によると、早期乳がんの治療を受けた2,413人を対象とした調査では、一夜あたりの絶食時間が13時間未満の人は13時間以上の人に比べて乳がん再発リスクが有意に高いことが分かったというのです。

これは再発リスクについての研究のため予防になるということはできませんが、乳がんに罹るリスクを避けるためには、夕食は早めに済ませ、食後のダラダラ食いは避けた方が無難でしょう。

こうして見てみると、お酒が好きでつまみには揚げ物で晩酌……という習慣がある人は夜遅くまでの飲み食いがNGとなってしまうので少し厳しい現実かもしれません。

さらに、アルコールを摂取すると、本来体を休息させるべき睡眠時間にもアルコールを分解する内臓は休むことができないため、眠りの質も悪くします。また、肝臓への負担からストレス解消のように見えて実は肝臓疲労によって、知らず知らずのうちにストレスの蓄積にも繋がったりしてしまうので、スィーツ同様、“何かあった時の自分へのご褒美”という位置づけにした方がいいかもしれませんね。

【参考】

Prolonged Nightly Fasting and Breast Cancer Prognosis. - NCBI

※ 飲酒と乳がん罹患との関係について - 国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループ

【監修者略歴】

※ 川上智史 ・・・ 医学博士。主に予防医学を専門とし、各種教育機関で基礎医学について講義を行う他、一般向けに予防医学に関する講演を行うなど、予防の重要性を啓発し続けている。また、アンチエイジングアドバイザー、メディカルアドバイザーとして医学的に“美と健康”を追求し、コメンテーターとしても幅広く活動。

【筆者略歴】

※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

【画像】

※ Alena Haurylik / shutterstock