ハイレゾ再生のための小型オーディオシステム「クリプトンKS-9Multi」 自社開発デコーダーによりMQA音源対応

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 オーディオ機器の開発やハイレゾ音源配信サイトKRIPTON HQM(従来のHQM STOREから名称を変更)を運営するクリプトン(東京)は、小型オーディオシステムKS-9Multiを10月1日(土)に発売した。丸形のユニークな外観の小型スピーカーにDAC/デジタルアンプを内蔵したオールインワンシステム・シリーズの最上位モデルで、PCとつないでハイレゾ音源が楽しめる。対応する音源のフォーマットに、従来のPCM192kHz/24ビットとDSD2.8MHzのほかに、新方式MQAが加えられた。多彩な音源、フォーマットに対応することからMultiの名が与えられた。価格はオープン、実勢価格は280,000円前後(税別)。

 従来モデルKS-7のオールアルミ製のラウンドフォルムをもつエンクロージャーと海外製スピーカーユニットはそのままに、デジタル入力からアンプまでの各回路は「新設計に近い」リビジョンを行っているのがポイント。高度な設計のデジタル入力部は信号を変換、適合させるXMOSを使ったDDC回路を構成、後段は市販DACチップを使わずFPGA上に構築したDSPで処理する。デジタル信号の変換、最適化から、帯域を分けて低域ウーファー、高域トゥイーターをデジタルアンプに送り込み、スピーカーを鳴らす仕組みだが、XMOSを大容量化して新しいMQAデコーダーを組み込みつつブラッシュアップ、これに応じてDSPを構築するFPGAのプログラミングも細部までのチューニングによる音質向上、動作の最適化を図っているという。

 新たに対応するMQA(Master Quality Authenticated)方式は、英国で開発されたデジタルオーディオ信号のエンコード/デコード技術で、ORIGAMIと名付けた独自の方法により、例えば192kHz/24ビット以上の音源のデータサイズをほぼCD(44.1kHz/16ビット)並みにコンパクト化できるだけでなく、音質についても向上できるというもの。アナログ/デジタル変換で使われる一般のフィルター回路では不可避となっているリンギング歪みの発生を抑える、独自に最適化したフィルターで不要な音や音のゆらぎの少なくなるという。データの小容量化によりダウンロード時間の短縮やハードディスクの楽曲収録数も多くなるわけだ。

 MQA音源は、KS-9 Multi発売に合わせてKRIPTON HQMでも10月1日から配信を開始するが、これまでもすでに内外の大手の配信サイトやレコード会社が対応、HQA音源の追加を進める一方、ハードウエアについては開発元のメリディアンや米国マイテックデジタル社がDACを発売、またオンキヨー/パイオニア・ブランドのデジタルオーディオプレーヤーが再生に対応している。今後は、配信サイトやコンテンツホルダー、またハードウエアいずれもが年末から来年にかけて大きく拡大する見込みという。

 KS-9Multiは、USBのほかに光デジタル、アナログ入力などで多彩なソースを再生。またHDMI入力により、BDプレーヤーによるBDオーディオやDSDディスク(DSD音源データを収録したDVDディスク)も楽しめる。サイズ・重量(右チャンネル部)は、幅130×高さ200×奥行170 mm(スピーカーベース含む)・3.0kg