ノーベル医学生理学賞に決まった東京工業大学の大隅良典栄誉教授が4日(2016年10月)に萬里子夫人とともに記者会見に応じた。大隅教授が強く訴えたのは基礎研究の大切さだった。

「あさチャン!」は「新聞まるわかり」コーナーでもこの問題を取り上げ、朝日新聞(10月5日付)が報じた大隅教授のノーベル賞賞金(9500万円)の使途の記事を紹介した。大隅教授は賞金をもとに企業などからの協力を得て、研究者に少なくとも20〜30年は提供する仕組みを作る考えという。

国は近年、短期に成果が見込めそうな研究に資金を重点配分し、基礎的研究にしわ寄せがきているという。大隅教授は「次々に(ノーベル賞を取るような)若い人が生まれる体制をつくってくれないと、日本の科学は空洞化する」と話している。

基礎研究なおざりの政策で研究者空洞化

コメンテーターのサイエンス作家、竹内薫が危機的状況を次のように指摘した。「空洞化が進み、若手の研究者が育っていません。今のノーベル賞受賞は20〜30年前の研究で受賞しているんです。このままでは20年後にはノーベル賞受賞者はいなくなるかもしれません。欧米では返還義務のない奨学金がありますが、日本にはあまりありません。お金を借りて博士号を取ることになるのですが、(その後に返済しようにも)就職先がない厳しい状況になっているんです。ノーベル賞の賞金で基金を作るのは非常にいいアイデアだと思います」

学生の研究者離れは深刻で、博士課程への進学率は2000年は15%台だったが、15年度は8%に落ち込んでいるという。