『GAME』(西形まい/白泉社)

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 お互い、本当に好きになったら付き合おう。それまではあくまでカラダだけの関係を楽しもう――そんな約束をかわして、新入社員の桐山くんと大人のGAMEをはじめた27歳の小夜。じれったい駆け引きだらけで話題沸騰のオトナの恋愛マンガ『GAME』(西形まい/白泉社)、待望の第2巻が発売された。

 27歳にして副部長にまで昇進し、期待を一身に背負ってバリバリ働く小夜は、「あいつはもう女じゃねー」なんて陰口をたたかれるくらいのワーカホリック。ベッドの中でいたしている最中にまで仕事の電話に出るもんだから、彼氏にもフラれ、家でも買うかと恋愛に対してはあきらめ気味のクール女子。

 そんな彼女に迫ってきたのが、クールなメガネ男子の新入社員・桐山くん。研修期間なのに教えることがほとんどないほど仕事もできるし手際もいいし、同僚男子にやっかみ半分の軽口をたたかれている小夜をさりげなく気遣うこともできる。あまりにソツがなさすぎて、モテなかったわけがない――というよりもむしろたくさんの女子を泣かせてきたのだろうと容易に想像できる、食えない男なのです。

 そんな2人の秘密、それが冒頭にも書いた、駆け引きだらけのゲーム。1巻では「絶対に自分から好きだなんて言ってやるものか」という小夜の意地が見えていた気がするのですが、2巻では少しずつ彼女の心境にも変化が訪れます。

 会社で一緒に仕事をして、休みの前日にはどちらかの家に行って身体を重ね合わせ、疲れているときは何もせずに寄り添い、ただ一緒に眠る。熱で何日も桐山くんが会社を休めば、小夜は、これは上司としてのリスク回避だからと言い訳しながら看病に向かう。逆に小夜の元カレの気配を感じた桐山くんが嫉妬のようなそぶりをみせることもある。やっていることはまるきり恋人同士のそれで、そんな自分たちに戸惑いつつも、「好きじゃないし、めんどくさいし、付き合うのはいや」と一貫した態度を貫く小夜の意地は、負けたくないというよりも、「踏み込んだ結果傷つきたくない」という恐れのような気がするのです。

 無駄に心を乱されたくない。傷つきたくない。遊び相手に本気になって、みっともない姿を晒したくない。自分はこれくらいちゃんとかわせる。だって大人なんだから。最初から遊びとわりきって、適度な関係でいたほうがマシだ。彼女の心にもしそんな怯えが潜んでいるなら、それは、小夜の気持ちが「本当に好き」に近づきはじめている証拠なのではないでしょうか。相手にとって自分はそんなに大きな存在じゃない、そう思い知るのが怖いから、現状の心地いい関係を維持しようとする。そんな心理は、誰かに恋した経験のある人ならだれでも覚えがあるはずです。

 だけどどれだけ意地をはっても、小夜にとって桐山くんが――もしかしたら桐山くんにとっても――ただの上司と部下でもセフレでもなくなってきていることは間違いなく、そのじれったい距離感にやきもきさせられる本作。今後も目が離せない作品です。

文=立花もも