テクノロジーは「50年後の言葉」にどんな影響を与えるか:英レポート

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英銀行のプロジェクトで、言語学者が「話し言葉」が今後50年でどう変わっていくかを予測したレポートを作成。テクノロジーの進展に従って「言葉の短縮化と略記」が進み、英語方言や訛りが減少していくという。

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われわれが知っているような「英国で話されている言葉」は、今後50年間でどう変わるのだろうか? 英国の銀行HSBCによるレポート「The Sound of Britain in 2066」はその問題を追求している。

HSBCは今回、同社の銀行サーヴィスに音声IDと音声バイオメトリック・セキュリティー技術を導入するにあたって、このレポートの制作を、社会言語学の専門家に委託した。研究を率いたのは、ヨーク大学でフォレンジック音声科学の講師を務めるドミニク・ワットだ。

レポートでは、コンピューターの多用で人間の言葉の使い方が変化すると予想している。例えば、テクノロジーによって言葉の短縮化と略記が進むと考えられるという。

さらに、コンピューターやテクノロジーと人間の対話は今後、キーボードではなく音声が基本になると予測している。「キーボードは時代遅れになり、自動車、洗濯機、冷蔵庫、タクシーアプリ、銀行のオンラインサーヴィスは、声の操作でまったく問題がないようになる」わけだ。

音声認識技術は、地域の方言やスラングの認識が難しいことが多く、その結果、言葉のヴァリエーションの減少を引き起こすという。

レポートは、「機器に向かって話したり、アメリカ英語を聞いたりする」ことにより、地域アクセントは目立たなくなっていくと説明している。

音声入力のそうした特性のほかに、英国内の全般的な移動と社会的流動性の面でも、地域特有のアクセントが使われなくなっていく。レポートによると、2066年にはバーミンガム、グラスゴー、リヴァプール、ロンドン、マンチェスター、およびタイン川流域のアクセントはすべて弱まるという。

レポートでは、各地のアクセント変化も具体的に予想している。たとえば、「yow」(youのバーミンガム方言)は「yoo」に、「hurt」(グラスゴー方言)は「hut」に、ロンドンの「think」は「fink」に発音が変化するのだという。

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