1個千円!?アジア圏でも人気ジワジワ!干し柿ビックリ情報

写真拡大

この季節、郊外に足を運んだ際などに、民家の軒先で柿を干しているのを見つけ、ほっこりした気分になるという人もいるだろう。干し柿は、平安時代の書物に祭礼用のお菓子として登場している、いわば和菓子のルーツのような伝統ある食べものだ。味も栄養もギュッと凝縮され、保存性もよいことから各地で普及していったという。天日に干すだけという素朴な作り方なので、自分でもやってみたいと思うのだが……。「教えて!goo」を見ていると「干し柿にカビが……」という悲痛な声が寄せられていた。なんでも表面の白いものが気になるとの声である。そこで、独自の展開が人気の高級果実店、フルーツギフト足利の店長、足利寿彦さんに、カビの件はもちろん、最高級品の1000円もする干し柿からアジア圏で人気がきているという情報まで、干し柿について気になることを聞いてみた。

■干し柿にカビはありえないこと?

干し柿についてたずねようとすると、足利さんは開口一番、このように話した。

「本来、干し柿を食べる12月頃は気温も低く湿気もないので、カビが生えるはずはないのです。なのに、生えてしまったというのであれば、柿自体が古く、品質が悪いものということでしょう。もしもカビが生えたとしても、その部分を切り取って食べれば問題は特にありません」(足利さん)

元来、日本の気候は干し柿作りに適している。しかし、近年はその根底が崩れつつあるともいう。

「温暖化の進んだ現代は、昼夜の温度差がない年もあり、柿の甘みが減っているように思います。元々干し柿は渋柿から作るのですが、名産地と呼ばれた各地域も、年によって出来不出来が顕著になってしまいました」(足利さん)

日本の秋を感じる干し柿を吊るす軒先の光景も、温暖化によって失われてしまうのだろうか。なんだか寂しいものである。

■一個で1000円前後の最高級の干し柿も

気持ちを切り替え、干し柿にはどんな種類があるのか、足利さんに聞いてみた。

「代表的なものは、水分が多くとろりとした口あたりが特徴の『あんぽ柿』、水分が25%程度まで干し上げた『ころ柿』、長野県市田地区の特産品の『市田柿』などがあります。市田柿も等級があり、1粒数百円のものから、ハウス栽培で作られた1,000円前後という最高級品まであるので、食べ比べてみたいところです。また、福島産のあんぽ柿もとってもおいしいです」(足利さん)

最近は1年中売られているようだが、作り方にも変化があるのだろうか。

「これまでは農家のおばあちゃんたちが作っていたものですが、後継者も少なくなってしまった今では、工場で火力や遠赤外線で乾燥させるようになりました。冷蔵保存したものは1年中販売されています」(足利さん)

火力や遠赤外線で乾燥させた干し柿もあることに驚いたが、後継者不足となるとそれも仕方ないことなのか。なんとも残念であるが……。

■高値で取引される東京においしいものは集まる

ところでおいしい干し柿を手に入れるには、どうすればよいのだろう。やはり産地に行くべきなのか。

「1番高い値で買ってくれるのは東京です。そのため東京には日本全国からおいしい干し柿が集まってきます。近年は、台湾や中国も高値で買ってくれるので、よい品がそちらに流れていく傾向にあるのは残念なことです」(足利さん)

やはり東京には美味しいものが集まってくる傾向がある。しかし、食の流行もあり、海外にも流れているとのこと。

「スーパーで買われる人も多いと思いますが、残念ながら安価なものは味もそれなりになってしまいます。かといって百貨店は、取り扱う産地や種類が多いのに限られたスペースで陳列しなくてはいけないため、質もまばらになる可能性があります。それではどこに行くとよいかというと、よい青果店を探すことです。店と知り合いになれば、店は客に下手な品物を売れなくなりますので」(足利さん)

最近は町の果物屋さんというのも見かけなくなっている気がするが、見つけたら店主と話してみるのもよさそうだ。

最後に足利さんはこんなことも教えてくれた。

「奈良県には、『柿博物館』なるものがあり、隣接する果樹振興センターでは国内外200品種もの柿を栽培しています。秋には収穫した柿の実物が展示されます」(足利さん)

200種もの柿の実をぜひ見てみたいし、できれば味わってみたいところだ。柿博物館は鮮やかなオレンジ色、柿の形のドーム状のひときわ目をひく建物ということなので、近くに行く機会がある人は見つけて立ち寄ってみるといいだろう。

今回、果物のプロからさまざまな話を聞くことができた。皆さんも、これをきっかけにいろいろ食べ比べ、おいしい干し柿に巡り合われることを願うばかりである。

●資料提供者プロフィール:フルーツギフト足利
1931(昭和6)年創業の高級青果店。現在の店長は四代目の足利寿彦。毎朝大阪中央卸売市場に出向き試食し納得したものだけを仕入れる他、農家と提携し当店オリジナルの果物を開発・販売。大阪市旭区千林に店舗経営をする他、ネット販売も展開している。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)