ママ片付けちゃダメ!「いじめっ子」に育ってしまう親のNG教育3つ

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子どものいじめ問題は根深い社会問題です。いじめ問題自体は昔から変わらずあったでしょうが、近年、その手段がエスカレートする傾向にあるのが心配です。

そして、いじめのニュースが流れると、「いじめている側の親の顔が見てみたい!」などと思ってしまう人も多いと思います。

しかし、いじめは決して“他人の問題”ではありません。だれもがいじめる側、いじめられる側になってもおかしくないのです。

では、子どもをいじめっ子にしてしまいやすい教育環境とはどういうものなのでしょうか。心理カウンセラーの玉川華世さんに教えてもらいました。

 

■相手と自分の境界線

いじめ問題の本質の一つに“相手との境界線が守れているか”があると玉川さんは言います。

「私たち人間には、自分だけのテリトリー(陣地や縄張り)というものがあります。自分の部屋やカバンなどの物理的なものや、気持ちや考えなどの精神的なものが含まれます。

自分と他人のテリトリーの間には、境界線があります。お互いのテリトリーは、基本的に本人のものである。お互いにそこを奪わない、奪われない。境界線を勝手に超えたり、超えられたりしない。

この前提があるからこそ、私たちは、普段の生活の中で、安心して暮らすことができます」

いじめには、相手との境界線を超え、相手のテリトリーに侵入する側面があります。そして子どもは、相手との境界線の守り方を、親との関係の中で学びます。

例えば、次のようなコミュニケーションは、相手との境界線を超えてしまう結果を生んでしまうことがあるそうです。

 

■NG1:子どもの荷物を親が整理整頓

「ちゃんと片付けなさい」と何度伝えても、なかなか片付けをしない子どもの態度に耐えきれず、ついつい親が片付けたり、整理整頓してしまうことってあると思います。

しかしこれは、視点を変えると、「子どものテリトリーにあるモノを、他人が好き勝手にしている」ようにも見えるのです。

「整理整頓の大切さや快適さではなく“自分のテリトリーにあるモノを、他人が好き勝手にしてもいいんだ”と覚えてしまうと、“相手のカバンを勝手にあけて、相手の教科書をやぶいて捨てる”など、子ども自身が、他人との境界線を超えてしまう行動をとることがあります。」

そういうときは、親がすべてをキッチリ整理整頓するのではなく、子ども本人の部屋や、子ども専用ラックなどの、“子どもだけのテリトリー”を作って、親はリビングなどの共有スペースに置きっ放しの子どもの荷物を、そこに移動させるだけにすると良いそうです。

こうして子どもの境界線を守りつつ、家族みんなが気持ちよく過ごせるようなアイディアを取り入れることがオススメです。

 

■NG2:子どもの失敗を他人に話す

まだまだ未熟で失敗が多い子どもたち。子どもが失敗する姿を、微笑ましいと感じたり、その後始末でついついグチりたくなったり……いろいろな場面で、子どもの失敗を話したくなることもあると思います。

「しかしこれは、子どもによっては“自分が知られたくないこと、秘密にしておきたいことを、他人が好き勝手に言いふらす”と感じることがあります。

そこから“自分の秘密(情報)を、他人が好き勝手にばらまいてもいいんだ”と学ぶと“相手の個人情報を、インターネットの掲示板で、見た人が誤解しやすいように投稿する”などの行為に抵抗を感じにくくなります」

子どもにも、恥の感覚があります。小さくて未熟だからこそ、自分の失敗は秘密にしてほしい、誰にもバレたくないと感じることがあります。

もし、子どもの失敗について「どうしても誰かに話したい!」「重要なことだから夫に伝えなくちゃいけない!」と感じたときは、子ども本人の立場・体面をしっかり守った上で、話すようにしてみてください。

特に男の子の失敗については「武士の情け」をかけるつもりで接するのが良いようです。

 

■NG3:子どもが傷ついたときに放置

境界線を守ることは大切ですし、子どもに自立を促すことも親として当然の務めです。とはいえ、まだまだ子どもですから、ツラいときや、傷ついたときに、親の助けを必要としたり、親に頼りたくなる場面もあります。

「そういう助けを求めているときに“自分でなんとかしなさい”と過度に放っておくと、子どもは“どれだけツラくても、自分一人の力でがんばらないといけないんだ”と学ぶことがあります(境界線を守りすぎてしまうんですね)。

すると、クラスでいじめが起こっても“自分は関係ない。あの子が一人でがんばるべき問題だ”と、クラスメイトの痛みに鈍感で、傍観者という立場になることがあります(傍観者がいると、いじめはエスカレートしやすくなります)。」

一人でがんばるのはもちろん大切ですが、苦しすぎるときに一人でがんばろうとすると、孤独や孤立の悲しみを生みます。

子どもがツラそうで、助けを必要としていそうなときは、まず境界線の外から「大丈夫?」と声をかけてみてください。

子ども本人が「大丈夫」と言うのであればそれを尊重して、しばらくは外から見守りましょう。もし「ツラい」や「痛い」など、助けを求める声があれば、「何かあったの?」と少しずつ、子どもの様子をみながら境界線を超えていってください。

 

いかがでしょうか? 子どもがいじめっ子になるかどうか。それは、実際に子どもが大きくなってみなくてはわかりません。

ただ、子どもはよくも悪くも素直です。幼いうちは、親からされたことを深く考えず、マネをします。

親との関係で、他人への尊重や信頼、優しさを学ぶことができれば、子どもはそれを、友達やクラスメイトにするようになります。家族の中で、いじめを生む元凶を作らないように注意したいですね。

(ライター 大山奏)

 

【取材協力】

※ 玉川華世・・・家族や友達との関係で、多くの傷つき体験を持ちながら、その傷つきに気がつかず大人になり「なぜこんなにも私の人生はうまくいかないのか」と疑問を持ったところから、心理学と出会い、現在は心理カウンセラーとして活動中。以前は恋愛専門だったが、職場の人間関係をうまくまわすコツ、企業の心をつかむ転職活動のやり方、子供の心を豊かにする接し方など、最近は、幅広いテーマを扱っている。『男と女の成長心理学』

 

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※ Oksana Kuzmina / Shutterstock