すでに2戦を終えた2018年ロシアW杯アジア最終予選グループB。第3戦、第4戦もまもなく行なわれ、日本は10月6日にホームでイラクと、10月11日にアウェーでオーストラリアと対戦する。得失点差で辛うじてプレーオフ圏内の3位につけている日本にとって、ともに落とすことのできない重要な試合となる。

 まずは、6日に対戦するイラク。同代表は現在5試合連続未勝利で、今年に入ってからは8戦1勝2分け5敗と不振にあえいでいる。W杯アジア最終予選でも、0−2オーストラリア、1−2サウジアラビアと連敗スタート。得点源の新鋭モハナド・アブドゥル・ラヒームが封じられると攻撃が手詰まりとなる弱点を抱え、早くも後がない状況だ。

 そんなイラクとの相性を過去の対戦データで見ると、日本は通算10戦6勝2分け2敗。1993年、「ドーハの悲劇(※)」を味わわされた"難敵"というイメージが強いが、現在6連勝中と決して相性は悪くない。
※日本は勝てば初のW杯出場が決まるアジア最終予選の最終戦。イラクと対戦し、後半ロスタイムに痛恨の同点弾を浴びてW杯出場を逃した。

 最近5試合に関して言えば、得点さえ許しておらず、直近の対戦となった昨年6月の親善試合でも4−0と圧倒。データの上でも日本優位は揺るがず、確実に勝ち点3をモノにしたい。


【日本vsイラク。過去の対戦成績】
1978年=日本0△0イラク(ムルデカ大会/マレーシア)
1981年=日本0●2イラク(ムルデカ大会/マレーシア)
1982年=日本0●1イラク(アジア大会/インド)
1993年=日本2△2イラク(W杯予選/カタール)
2000年=日本4○1イラク(アジア杯/レバノン)
2004年=日本2○0イラク(親善試合/日本)
2012年=日本1○0イラク(W杯予選/日本)
2013年=日本1○0イラク(W杯予選/カタール)
2015年=日本1○0イラク(アジア杯/オーストラリア)
2015年=日本4○0イラク(親善試合/日本)
※ムルデカ大会=マレーシアの独立を記念した国際大会


 続いて、11日に対戦するオーストラリア。今予選でも連勝スタートして(2−0イラク、1−0UAE)、グループ首位に立っている最大の強敵だ。6日(日本時間7日)には同じ2連勝中のサウジアラビアと対戦するが、そこも勝って勢いに乗るようだと、日本にとっては非常に厄介なことになる。

 オーストラリアで警戒すべき選手と言えば、やはりティム・ケーヒル。2006年ドイツW杯で2得点を決めて日本を撃破すると、その後も日本戦では大いに活躍。過去8試合で5得点を記録するなどして、「日本キラー」と称されるようになった。

 今回の予選でも日本を破ったUAE戦で決勝点をゲット。すでに36歳という大ベテランだが、その勝負強さは今なお健在だ。過去の対戦を振り返ると、親善試合を除いた公式戦では、ケーヒルが爆発した試合はいずれも日本は敗れている。今回も、このケーヒルを抑えられるかどうかが、勝負の分かれ目となりそうだ。


【ケーヒルが出場したオーストラリア戦の戦績】
2006年=日本1●3オーストラリア(W杯/ドイツ)※2得点
2007年=日本1○1(PK4−3)オーストラリア(アジア杯/ベトナム)
2009年=日本0△0オーストラリア(W杯予選/日本)
2009年=日本1●2オーストラリア(W杯予選/オーストラリア)※2得点
2011年=日本1○0オーストラリア(アジア杯/カタール)
2012年=日本1△1オーストラリア(W杯予選/オーストラリア)
2013年=日本1△1オーストラリア(W杯予選/日本)
2014年=日本2○1オーストラリア(親善試合/日本)※1得点
※ケーヒルが挙げた得点


 なお、日本とオーストラリアの通算対戦成績は、五輪代表の成績を含めて日本の23戦9勝(1PK勝ち)7分け7敗とほぼ互角。A代表の公式戦(W杯、W杯予選、アジア杯、コンフェデレーションズ杯)だけに絞っても、10戦3勝(1PK勝ち)4分け3敗と拮抗している。


【日本vsオーストラリア。公式戦での対戦成績】
1969年=日本1●3オーストラリア(W杯予選/韓国)
1969年=日本1△1オーストラリア(W杯予選/韓国)
2001年=日本1○0オーストラリア(コンフェデ/日本)
2006年=日本1●3オーストラリア(W杯/ドイツ)
2007年=日本1○1(PK4−3)オーストラリア(アジア杯/ベトナム)
2009年=日本0△0オーストラリア(W杯予選/日本)
2009年=日本1●2オーストラリア(W杯予選/オーストラリア)
2011年=日本1○0オーストラリア(アジア杯/カタール)
2012年=日本1△1オーストラリア(W杯予選/オーストラリア)
2013年=日本1△1オーストラリア(W杯予選/日本)


 親善試合なども含めた最近5試合に限れば、オーストラリアには負けなしと心理的な優位はあるものの、重要な1戦となれば、さすがに油断できない相手。しかも、日本にとってなんとも不吉なデータがひとつある。今回の会場となるメルボルンで行なわれた試合は、日本はオーストラリアに4戦全敗と過去1度も勝ったことないのだ。ひとつも負けられない状況の中で、極めて嫌なデータと言わざるをえない。


【日本vsオーストラリア。最近5試合の対戦成績】
2011年=日本1○0オーストラリア(アジア杯/カタール)
2012年=日本1△1オーストラリア(W杯予選/オーストラリア)
2013年=日本1△1オーストラリア(W杯予選/日本)
2013年=日本3○2オーストラリア(東アジア杯/韓国)
2014年=日本2○1オーストラリア(親善試合/日本)

【日本vsオーストラリア。メルボルン開催の対戦成績】
1956年=日本0●2オーストラリア(五輪)
1968年=日本1●3オーストラリア(親善試合)
1996年=日本0●3オーストラリア(親善試合)
2009年=日本1●2オーストラリア(W杯予選)

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 ところで、巷でも騒がれている「W杯アジア最終予選の初戦黒星チームが本大会に出場したことがない」というデータについて。アジア以外に目を向ければ、最終予選の初戦で敗れても、W杯出場を果たした例は数多くある。

 そのほとんどは初戦がアウェーだったケースだが、日本と同じようにホームで初戦黒星を喫しても、W杯出場までこぎつけた例が、3つある。2002年W杯予選のイングランド、2006年W杯予選のコスタリカとトリニダート・トバゴだ。

 そのうち、コスタリカは北中米・カリブ海予選を3位通過、トリニダート・トバコは同予選で4位となって、大陸間プレーオフを経て出場切符を手にした。日本にもチャンスはまだまだある。

宝田雅樹/National Football Teams-Results●文&データtext&data by Takarada Masaki/National Football Teams-Results