勤怠データが改ざんされた!残業代請求のためのメモ以外に有効な証拠とは?

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以前「教えて!goo」で配信したコラム「弁護士に聞いた『残業代請求にはメモが効果的って本当?』」では、タイムカードや勤怠表が会社側によって恣意的に改ざんされた場合に、メモを活用して残業代を請求のための証拠を作成することを取り上げた。しかし、業務中にいちいちメモを取りながら記録をつけるのは骨が折れる。しかも自分で書いたメモは、内容が真実でない可能性もあるために、法廷で十分な証拠能力を発揮できない。そこで、メモ以外にも業務の傍らでできる証拠作成法はないだろうか。まずは以前のコラムの内容を整理するところから始めよう。

■メモは証拠の最終手段!

先のコラムでは、弁護士の方からメモの証拠力の問題ととるべきメモの内容について解説していただいた。

「自分の作ったメモは、一般的に証明力は弱いと言わざるをえません。なぜなら、自分のメモは自分で自由に記載することが可能であるため、事実とは異なる内容で記載することもできてしまうからです。もっとも、残業代請求において他に証拠がなければ、メモに頼るほかありません。メモを提出するのであれば『毎日の出勤時刻、退勤時刻』は当然として、『どのような業務を行ったか』も具体的にメモするとよいでしょう」(峯岸孝宏浩弁護士)

しかし、証拠力の問題では紹介したコラムにもある以下回答にも注目すべき意見が見られた。いかに会社側の主張を崩すかに重点をおいた記録の内容が列挙されている。

「これ(会社の残業はなかったという主張)を崩すには、
・残業が無かったはずの日に、会社から発信されたメールや電話の記録。
・残業が無かったはずの時間に作成した書類のタイムスタンプ。
なんかがあれば十分なのでは?」(neKo_deuxさん)

これらの条件を満たす記録方法はメモの他に存在するのだろうか。なるべく簡単にできる方法を意識しながら見ていこう。

■メールの時間や内容を固定して残す工夫とは!?

自分で書いたメモでは証拠としてイマイチ説得力に欠ける。また勤怠表はそもそも改ざんされ、業務に関する書類は会社の管理下にあるためにすぐに手元の証拠として活用できない。こうした八方ふさがりな残業代請求を回避するために、労働問題に詳しい東京弁護士会所属鈴木翔太弁護士に解説していただいた。

「例えば、時間外にメールを送信した場合にはそれをBCCで自宅のパソコンに送ったり、それを印刷して送信日時を手元に残したり、ファイルの更新時間を印刷したり、時間外の職場での会話を録音したりすることも考えうるでしょう。こうして毎日継続的に証拠を残し続けること、従業員同士一致団結して味方を増やし問題解決に取り組むこと、確実な証拠と大人数による信憑性をもって経営陣が対策を取らざるをえない状況を作ることが望ましいでしょう」

毎日の業務を新しくする必要はない。行ったことを記録しているデータを固定して手元に残す心がけがまず重要である。さらに忘れてはならないことは、これを部署や同僚の間で周知徹底させることである。皆が日々の動きを記録するようになれば、一人の記録漏れもカバーすることが可能となる。鈴木弁護士が言うように、労働問題は味方と証拠の数で決まる。

(樹木悠)

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