「家事・育児に消極的な夫」がみるみるやる気に!? 7つのポイントを人気メンタルコーチに聞いた

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誰かに「こうしてほしい」と伝えるのは難しいもの。うまく伝えられないとストレスがたまったり、ケンカになってしまうこともあります。

夫がみるみる優しくなる! 口癖にしたい「魔法の言葉」4つ

ママたちにとって、夫とのコミュニケーションはその最たるものです。家事や育児にもっと積極的に関わってほしいと思っても、上手に伝えるのは簡単なことではありません。

『いまどきの子を「本気」に変えるメンタルトレーニング』の著者・飯山晄朗さんは、低迷する高校野球の名門チームを半年で甲子園に導いたメンタルコーチ。

本書には、あらゆるコミュニケーションの場に応用できる相手に前向きな行動を促す言葉がけのノウハウが詰まっています。

メンタルトレーニングのプロである著者の飯山さんに、夫が積極的に動いてくれる操縦法を伺いました。

(1)頼みごとは「甘え口調」が効く!

――ママたちの話題に上るのが、夫にどう自発的に動いてもらうかということ。

夫としては「言ってくれれば手伝うのに」と思っていたりするのですが、ママたちは「やってほしい」と言わなければならないことにストレスを感じています。

うまく旦那さんに動いてもらうコツはありますか?

飯山さん(以下、飯山):まず、奥さんが「夫はやってくれるはず」と信じることです。

「どうせこの人はやってくれないだろう」「私はこんなに大変なのに」という気持ちがあると、その気持ちが言葉に乗ってしまうんですね。

すると旦那さんも「俺だって、仕事をしてきて疲れているんだ」ということになってしまうわけです。

旦那さんを信じた上で、たとえば「これをやってくれたらすごく嬉しいな」と、ちょっと甘える感じで伝えると、男性は乗せられるものです。

もし「忙しいからダメだ」と言われたとしても、「今手が離せないから、ここだけお願い」と食い下がってみてください。すると「めんどくさいなぁ」なんてブツブツ言いながらも、やってくれるわけです。

そこですかさず「さすがパパ!」と言ってあげればいいんです。

(2)最初から求めすぎない! 第一段階は「動けばOK」

飯山:注意したいのは、「めんどくさいなぁ」というつぶやきには反応しないことですね。

ブツブツ言いながらも動こうとしているときに、「そんなこと言うならいいわ」と遮ってしまうと、旦那さんはやる気をなくしてしまいます。

まずはやってくれるだけでOK、動いてくれるだけでOKと思うことです。

――まずは、重たい腰をあげてくれたことに対してたくさん褒めるんですね。

飯山:そうです。そこで気をつけたいのが、「褒める」より「やってもらって嬉しい」と伝えることですね。

男性は一家の大黒柱でいたいという思いがあるから、上から目線で言われると嫌なんです。

「嬉しい」「ありがとう」と甘える感じで喜びを伝えていただければ、うまく操縦できるんじゃないかと思いますね。

(3)単純な褒め言葉をとにかく連発する

――「嬉しい」という気持ちは、どんなふうに伝えるのがいいのでしょうか。

飯山:男性は単純なので、「すごい」とか「かっこいい」とか「素敵」とかアバウトな言葉で十分。

男性は裏を読まないんです。

そこが女性と男性の違うところで、女性を褒めるときは「素敵ですね」だけじゃダメで「その服のその色がよく似合っていますね」とか「髪型がいつもと違いますね」とか具体的に言うことが重要ですよね。

でも男性は「ステキ!」の一言でいい。とにかく言ってあげればいいんです。

あとは、できればちょっと抑揚をつけるといいですね。「すごーい!」とか。演技でもいいんですよ。

たとえば、これを飲み屋のママさんとかに実践してもらうとお客さんがつくようになるんです。

(4)「あなたならできる」で自尊心をくすぐる

――育児では、やっぱりママの方が先に赤ちゃんのお世話に先に慣れてしまう。するとパパは「君のほうが上手だからやってよ」って遠慮してしまうんですね。

途中からパパとママの間に育児の壁ができてしまうんじゃないかなという気がします。

そういう状況に陥っているパパに子育てに参加してもらいたいときには、どう生かしたらいいでしょうか。

飯山:育児にも、たとえばおむつを替える、ミルクをあげる、あやしたり遊んであげる、などいろんな場面があると思うんですけど、その中でパパにやってほしいことを具体的に伝えたほうがいいですね。

最初から、「あれもやって」「これもやって」って言われると人間誰しも面倒に感じてしまうので、一つずつできることを増やしていくんです。

「お父さんはあやすのが上手だから赤ちゃんが泣いたらお願いね」とか。

それは自尊心をくすぐります。「あ、そうか。オレはあやすのが上手なのか」って。

だから「あ、泣いちゃったからお願い!タッチ」と言ってみてください。

赤ちゃんが本当に泣き止んだらすかさず「さすがパパ!」って言ってあげればいいんです。これを爛團哀泪螢ン効果瓩箸いい泙后

――それは実際には得意じゃなくても効きますか?

飯山:そうですね。最初はとにかくやってみればいいですし、それまでもある程度お父さんのことを見てあげたらいいと思うんですよね。

何がお父さんは得意そうかな、楽しそうにやっているかな、というのをよく見てあげることですよね。

(5)やり方を間違えていても指摘しない

――パパのやりやすそうなものを見つけてあげるんですね。

飯山:そうですね。とにかく、最初のきっかけが大切なんです。

「子どもとこういうふうに関わるっていいな」と思ってもらえれば、その経験が積み重なって自分からやるパパに変わっていくんです。

やってはいけないのは、お父さんが上手にできなかったときに「あ〜、そうじゃなくて」と否定的な言葉を最初にかけてしまうこと。せっかくのやる気がそがれてしまいます。

そんなときは、その場では「ありがとう」と言って、あとから自分で直せばいいんです。

お父さんの気分を盛り上げてあげて、やること自体に抵抗がなくなれば、回数をこなすうちに自分で気づきますから。そこは信じてあげてください(笑)。

まずは、やってくれるだけでいいと思うこと。最初から正確さを求めていくと、お互いにイヤになってしまいます。

(6)普段からのコミュニケーションが基礎に

――普段から夫婦でたくさん会話を交わすことは大事ですね。

飯山:特に子育てにおいては夫婦仲がいいかどうかが決め手です。

子どもが病気になったり素行が悪くなったりするとき、夫婦仲がよくないケースが結構あります。

会話がなかったり、旦那さんが帰ってこなかったり、夫婦ゲンカが絶えない、など。

すると大人もそうですが、子どもの心や身体にも影響が出ます。

ホルモンへの影響が大きいですね。ドーパミン、セロトニン、アドレナリンといった脳内ホルモンの分泌は感情によって変わりますから。

不安や不満があると、ホルモンの影響で体の調子がおかしくなるのは自然のことなんです。

*ピグマリオン効果・・・1964年に教育心理学者ロバート・ローゼンタールが唱えた。「人は期待されると、期待されたとおりの成果を出す傾向がある」という主張。

(7)「ありがとう」は積極的に伝える

――まずやってもらう。上手に、完璧に、はその先なんですね。

飯山:夫婦間には甘えがあって、ついきつい言葉や態度が出てしまいがちですが、よく考えれば夫婦は他人なんです。

だから、普段から相手に対する尊敬の念や感謝を感じていないとうまくいかないですよね。

手伝ってもらったときには「ありがとう」と伝えることも大切です。旦那さんが「ありがとうって言われるとうれしいもんだな」と思えば、自分も言うようになります。

お互いに「やってもらっていること」にはなかなか気づかないということですよね。それに気づける家族が、いい家族なんでしょうね。

でも日常生活では、じつは女性の方が我慢してることが多いですね。僕は男性ですけど、それでもわかります。

男性は外に出ている時間が多いので、ある程度発散できるんです。

だから、女性の社会進出が進むということは、女性の発散の方法が増えてきたとも言えますね。夫婦関係というものをもう一回見直さないといけない時期なのかもしれません。

男性は単純で、自分を持ちあげてくれたり自分をよく思ってくれる人のために頑張ろうって思うんです。

反対に、奥さんから虐げられると家庭だけでなく仕事する意欲もなくなってしまうわけです。

奥さんが喜んでくれたり、がんばってとかありがとうとか言ってくれると、家庭が円満になるだけでなく「頑張って仕事しよう」っていう風にも思えて仕事にもいい影響があるんですよ。

――男性にとって家庭と仕事はリンクしてるんですね。


飯山さんの著書『いまどきの子を「本気」に変えるメンタルトレーニング』、前著『いまどきの子のやる気に火をつけるメンタルトレーニング』(ともに秀和システム刊)では名門高校野球チームの選手たちとの具体的なやりとりを例にとり、メンタルトレーニングの方法が解説されています。

言葉のかけ方ひとつで、生徒たちが前向きで自信あふれる気持ちを取り戻していく姿に目を見張ります。

そして今回、飯山さんのお話から感じたのは、コミュニケーションにおいては「どういう言葉をかけるか」以前に「どういう気持ちで言葉をかけるか」がいかに大切かということ。

それは、もっとも近い他人である夫婦の場合も同じです。

「言わなくても、わかるはず」と思いがちな夫婦間だからこそ、どんな気持ちで言葉をかけるかに気を配りたいものです。