「小さな口ぐせ」習慣が人生を決める

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■「小さな口ぐせ」で得する人損する人

ふだん私たちがしている仕事の多くは、チームや上司との共同作業です。チームや上司との間には、当然、コミュニケーションが存在します。その際、ビジネスコミュニケーション力を高める習慣として、私は以前から「口ぐせ」に注目しています。

ビジネスのコミュニケーション能力は2つ

私はビジネスのコミュニケーションは、大きく2つに分けられると考えています。ひとつは、ヒューマン系コミュニケーション力。もうひとつは、ロジカル系コミュニケーション力です。

【A ヒューマン系コミュニケーション力】

人間関係は、信頼や感情のつながりが土台にあります。感情のつながりは、普段からの思いやりや感謝、義理人情のコミュニケーションから作られます。一朝一夕にしてはでき上がらず、普段からの習慣が重要です。ヒューマン系コミュニケーション力とは、人間関係をつくり、感情のやりとりをする能力です。

【B ロジカル系コミュニケーション力】

ビジネスの世界は、人間関係ができれば全てうまくいくというわけではありません。端的に分かりやすく伝える力も重要です。上司への報告、部下への指示、お客様へのプレゼンなど論理性を問われるコミュニケーションがあります。

大きく2つの種類に分けてみましたが、いずれのコミュニケーションをスムーズに実行するには様々なスキルが必要です。

■部下の能力を引き出す上司の「口ぐせ」

【A ヒューマン系コミュニケーション力】

(1)部下が安心して話せる口ぐせ

上司に対して話すときに、論理性にこだわるあまりシドロモドロになるケースがあります。また、報告には論理性を求めてもいいのですが、悩みや相談事などの場合は緊張していては自己開示ができません。

そこで、部下が話しだすときに、上司が部下のハードルを下げる口ぐせはこちらです。

〈口ぐせ〉
「バラバラでいいから、思っていること、悩んでいることを思いつくままに話してみて!」

上司が面談時にこのように宣言してくれると、部下は安心して話すことができます。私もクライアントさんが自分の思いや考えをうまく話せず混乱しているように感じたときには、上記のような切り出しをします。とても効果的です。

(2)遠慮なく自己主張させるための口ぐせ

会議や上司で意見を言うときには、緊張するものです。「こいつ、こんな意見しか言えないのか?」と蔑まれることを恐れていたり、反論されて傷つくのを怖がったりするものです。

そこで上司の立場ならば、部下を気楽にさせる口ぐせを言っておきたいところです。

〈口ぐせ〉
「とりあえず、どんな意見でもいいので、ひとつ教えて!」
「どんな低レベルの意見でもいいから教えて!」

このように最初の発言のハードルが下がると、2回目からは意見が言いやすくなります。

一方、部下の立場ならば、聞き手の期待値を下げてから話す口ぐせを入れるといいでしょう。

〈口ぐせ〉
「的外れな意見かもしれませんが……」
「思いつきのアイデアで恐縮ですが……」

考えてみれば、よく意見を言う人はしばしばこのような口ぐせを使っているのではないでしょうか。実際使ってみると分かりますが、意見を言う心理的なハードルがぐんと下がります。

(3)温かみを伝える口ぐせ

人間関係で一番心温まるのは、相手から興味関心を向けられていると実感するときです。上司が部下(自分)を見てくれている、他のメンバーが(自分を)気にかけてくれている、と感じるとき、私たちはひとりではないと安心できます。また、その人のために頑張ろうとも思えるのです。小さな変化に気づく、思いやりやサポートする姿勢を示すことがポイントです。

〈口ぐせ〉
「最近、○○変えた?」(表情、髪型、服装など変化)
「○○の件、サポートできることがあればいってね」(思いやり)

ただし、相手との関係性によっては、かえって言われたくないことはあります。そこはしっかり見極めるとして、普遍的な原則は、相手の変化に気づくこと、思いやりを示すことです。そのために何ができるかを考えてみて下さい。

■話の「枕詞」のクオリティが人生を決める!

【B ロジカル系コミュニケーション力】

(1)結論からいう

最も分かりやすいのは、結論話法です。報告でもプレゼンでも会議でも、結論が先に分かるとその後の理由や具体例などを相手側はじっくり聞くことができるものです。結論からいう口ぐせは、次の通りです。

〈口ぐせ〉
「結論から言いますと……」
「一言でいうと……」

大切なことは、まずこの口ぐせで始めることです。頭の中で話がまとまっていないからとダラダラ背景から話すのではなく、思い切ってこの2つの口ぐせのうちいずれかから切り出しましょう。思考がどんどん結論話法に慣れてきます。日々の小さな鍛錬です。

(2)端的に話す

ダラダラと長く、まとまりのない指示や報告は、相手を不快にさせ、誤解を生みやすくします。相手に明確に伝えるには、いくつの話があるのかを先に言うことが重要です。

〈口ぐせ〉
「3つ報告がありまして……」
「2つの理由があります……」

人間はポイントの数があると全体像を意識できます。いくつの話があるかを伝えると分かりやすいのは、日本人のみならず万国共通のコミュニケーションです。

(3)長い報告を整然と話す

長い報告をダラダラと話してしまうと、上司がイライラしたり、途中で遮られて、話のストーリーが支離滅裂になったりすることがあります。長い話を分かりやすく整理して伝えるには、話を幹と枝葉に分けるといいです。そして話の幹をトピックとしてまず伝えて、その後、詳細(枝葉)を話すのです。

〈口ぐせ〉
「今回のトピックは○○と△△の話をします。では○○の詳細ですが……」

このように全体のトピックを伝えてから詳細の話に移ると、相手は大枠を把握しつつ詳細を理解できるので、安心して話に集中することができます。

以上、今回はヒューマン系コミュニケーション力、ロジカル系コミュニケーション力を高める口ぐせをご紹介しました。

ぜひ、日々活用して口ぐせから思考を変えるキッカケにしてみてください。

(習慣化コンサルタント 古川武士=文)