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「『ふるさと納税』はお得」と最近よく耳にするものの、まだやったことがない、よくわからない、という人も多いのではないだろうか。このほど開催された「ふるさと納税セミナー」(マネーフォワードとトラストバンクの共催)で、「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクの田村悠揮さんとファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんにその基本を聞いてきた。

○自治体に寄付ができる制度

ふるさと納税は、自治体に寄付ができる制度。2008年に地方間格差や過疎などによる税収の減少に悩む自治体に対して、格差是正を推進するため発足された。「首都圏や大都市に集中しているお金を、地方に移そうとする」(田村さん)、「もともと自分の住んでいる自治体に払うはずだったお金を地方に分けて、しかもお礼の品としてその地域の特産品がもらえる」(風呂内さん)制度とのこと。

お礼の品は義務ではなく自治体の好意だが、総務省のアンケート結果によると、全自治体の約9割が何らかのお礼の品を提供しているという。「ふるさと納税した半分くらい、たとえば4万円納税すると2万円くらいのお礼の品を返してくれる自治体が多い」(風呂内さん)。

ここ最近で特に盛り上がった印象のあるふるさと納税。そのきっかけの一つとなったのが、ふるさと納税にいち早く力を入れた長崎県平戸市の事例だ。同市では2014年度、返礼品のラインアップを取りそろえたり、カタログやサイトをつくったりして、一年間で14億円の寄付を集めた。それにならって他の自治体も力を入れるようになったのだとか。

さらに2015年度には制度の改正があり、寄付者の控除上限額が約2倍に。また、もともと控除を受けるためには確定申告をするしかなかったが、条件によってはより簡単な「ワンストップ特例制度」できた。テレビなどで紹介されるようにもなって、2015年は1年間で1,650億円の寄付が行われた。

ふるさと納税は、全国1,788自治体の中から好きなところに寄付することができる。複数の自治体に寄付することも可能だ。さらに寄付を自治体が何に活用するか、使い道まで選べる。「各自治体が寄付の使い道を公表しています。例えば文化遺産の保全のため、子育て支援のため、などだいたい3つ〜10つくらい、平均すると5つくらいです。寄付者はその中から好きなもののを選べる。そこがおもしろいところです」(田村さん)。

○寄付が一定額に収まっていれば自己負担は2,000円

ふるさと納税は、年間の寄付金額の合計が一定額に収まっていれば自己負担は2,000円で済み、それ以外は税金の控除を受けられる。その控除上限額というのは、寄付する人の家族構成や収入によって異なる。目安となる金額は総務省のふるさと納税ポータルサイトなどで確認できるほか、「ふるさとチョイス」では必要項目を入力すると計算してくれるシミュレーターも用意されている。

たとえば年収500万円で独身または共働きだと、控除上限額はおおよそ6万円。3万円寄付した場合、控除上限額に収まっているため自己負担額は2,000円で2万8,000円は控除を受けられる。寄付額は年間の合計で見るため、1万円ずつ3カ所に寄付した場合も、3万円寄付したときと同様に自己負担額は2,000円で2万8,000円控除を受けることになる。なお、控除上限額を超えてしまった場合は、超えた部分が純粋な寄付になる。

寄付をすると自治体から「寄付金受領証」という領収書が送られてきて、お礼の品がある場合はそれも届く。ここまでが寄付するまでの流れだ。

○確定申告で控除を受ける

ここからは控除を受けるための手続きを見ていきたい。控除の手続きとして、ベーシックな方法は確定申告。所得税の還付と住民税の減額によって控除を受けることができる。

たとえば、寄付する人が年収600万円の既婚サラリーマンで、控除上限額がおおよそ7万円と仮定しよう。6万5,000円寄付して、6万3,000円控除が受けられるとすると、目安として約1割が所得税から還付され、確定申告してから1カ月以内で口座に振り込まれる。残りの約9割は、翌年6月以降に納める住民税から均等に減額される。この2つを足すと結果的に6万3,000円になる。

○「ワンストップ特例制度」で控除を受ける

1年間の寄付先が5自治体以下で、その年確定申告しない人は「ワンストップ特例制度」が使える。この制度では、寄付するたび寄付した自治体にワンストップ専用の申請書を書いて送るだけ。確定申告のときと控除方法が違っていて、この制度を使う場合、全額住民税の減額で控除されることになる。

○まとめ

ふるさと納税は、実質2,000円で全国から特産品がもらえる、大変お得な制度だということがわかった。寄付する自治体や寄付金の使い道が選べるのもうれしい。お礼の品で選ぶ、生まれ育った地元や学生時代を過ごした自治体に恩返しする、被災地を応援する、といったことができそうだ。

自分の控除上限額を確認すること、控除の手続きを行うことが必要だが、ぜひとも活用したい制度。次回は実際にふるさと納税をやってみたレポートをお届けしたい。

※控除上限額は目安のため個別に確認を
※住宅ローン減税などを受けている場合は目安額が減る場合もある

(山口晴子)