秋は美しい紅葉の下、雨が多い時季には雨宿りに、好天日には心地よい日差しのもと……と、どんな天気のシチュエーションでもコーヒーブレイクの時間は落ち着くものですよね。
そんなコーヒーにまつわる興味深いデータがあるのをご存じでしょうか?
実は意外な都市の市民が「コーヒー好き」であるという統計が最近話題になっています。
それが「鳥取市」です。一般家庭の1年間のコーヒー購入額が8125円(2015年総務省統計)という高い数字で、県庁所在地や政令市など計52市のうちで、何と堂々の第1位!
なぜ、鳥取の人々はコーヒー購入額が高いのでしょうか?

鳥取では、日に日にコーヒー熱が高まっています


ニュースになった話題のコーヒー店

昨年、話題となったのが鳥取県初のスターバックス出店。
47都道府県の中で唯一スターバックスのない県として知られていた鳥取県だけに、県内の人のみならず全国的にも話題となりました。しかも、驚くことに2015年5月23日にオープンしたスターバックスシャミネ鳥取店は、初日の売上額としては国内店舗で最高額だったというのです。
ここでスターバックスの出現によりピンチに追い込まれたのが、鳥取県内の企業が立ち上げた「すなば珈琲」という店。
鳥取県の平井伸治知事が「鳥取にはスタバはないけど、日本一のスナバがある」と鳥取砂丘とかけた発言を2014年に発したことから「すなば珈琲」が誕生!
しかし、オープンから1年ほど経ったばかりで、まさかスターバックスが鳥取に出店するとは想定していなかったことでしょう。それでも「すなば珈琲」は自ら「崖っぷち」を演出、「スタバよりもまずかったら無料」といったキャンペーンなどを展開します。
それが功を奏したのか、スターバックスオープン日にはすなば珈琲にも通常の5倍の客が来店したというから作戦は大成功だったといえるでしょう。
鳥取市民の「コーヒー愛」を象徴するような日が、2015年5月23日の賑わいからも十分に感じられますね。

鳥取の誇り「鳥取砂丘」

鳥取の誇り「鳥取砂丘」


コーヒー文化を根づかせる鳥取

スターバックスやすなば珈琲の存在が鳥取でのコーヒー店活性化につながっているとはいえ、今回1位になったのは「一般家庭の1年間のコーヒー購入額」です。
前年は29位だったことから、大きく順位を上げましたが、やはり大手コーヒーチェーンの出現が家庭でのコーヒー消費にも影響を与えたのではないかといわれています。
それに加え、鳥取には老舗の喫茶店も多く存在しているといいます。そのため、こだわりの豆や焙煎方法などを各店が追い求め、店を訪れる客の立場としても舌が肥えてきたといえるでしょう。
店で楽しむのはもちろん、家でもおいしいコーヒーを飲みたいという人たちの希望が家庭でのコーヒー購入額アップにつながったのです。
気軽に飲める「カフェ」のコーヒー、マスターこだわりの「喫茶店」のコーヒー、それぞれが切磋琢磨しながら鳥取のコーヒー市場を盛り上げています。

豆からこだわる喫茶店もたくさん

豆からこだわる喫茶店もたくさん


海を越えて「世界コーヒーサミット」開催

2016年9月23日から10月2日までの10日間、鳥取で「世界コーヒーサミット」が開催されました。
このサミットは、鳥取のコーヒー文化やカフェ・喫茶店文化を広めることを目的としたもの。しかも、このサミットを主催しているのは「鳥取珈琲文化振興会」とういう団体なのです。そうです、大手コーヒーチェーン店の登場はもちろん、鳥取に根づいた「喫茶店文化」から、「鳥取&コーヒー」の取り合わせを盛り上げる団体まで生まれているのです。
世界コーヒーサミットは、「コーヒーの聖地とっとり」共同宣言からスタートし、鳥取が「コーヒーの聖地」ということを堂々と世界に宣言しました。
また、その他には「コーヒーに合う食べ物1グランプリ」、道場六三郎氏による講演会「日本料理とコーヒーについて」など、さまざまなイベントが行われ、存分に鳥取からコーヒーの魅力を発信していきました。
── 鳥取といえば「砂丘」から、鳥取といえば「コーヒー」という時代がこれからやってくるかもしれません。
町おこしの一環としても、他の都市から注目されることは間違いないでしょう。