電子マネー&金券ショップ[現金化]の最前線

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iTunesやamazonなど、ECの決済手段として電子マネーを利用する機会が増えている。それは同時に、“ワケあり”なキャッシュを現金化する業界の活性化にもつながっているようだ。その最前線を取材した!

 9月上旬、米アップルはプリペイド形式でアカウントにチャージできるiTunesカードの利用について、注意喚起を促した。コンテンツの購入のみに使用し、送金目的では使わないよう公式サイトに警告文を載せたのだ。

「2年ほど前、LINEのアカウントを不正に乗っ取って知り合いになりすまし、不自然な日本語でiTunesカードを買わせてコードを送らせようとする事案が多発しました。今でも一部の詐欺グループがアダルトサイトの架空請求や示談金を入れる方法としてプリペイドカードによる送金を悪用しており、公務員を装いお年寄りから電気代や税金などの名目で支払わせる業者もいます。ネットでは電子マネーを5〜10%引きで購入することができますが、その中には詐取されたプリペイドカードも相当数含まれる」

 そう語るのは、電子マネーやクレジットカードのウラ事情に明るい実業家の一之瀬啓介氏だ。

「お金のデジタル化は一般消費者にかつてない恩恵とリスクをもたらします。仕組みを理解している人は得をするし、そうでない人は損をする」

 と力説するが、その前提としてまず理解すべきは「現金化」の仕組みのようだ。

◆電子マネーの現金化は85〜90%の還元率が相場

 割安で売られる電子マネーを供給しているのは、冒頭で触れたような詐欺グループだけではない。

「すぐに現金が欲しいけど、理由があって消費者金融から借りられない人って、結構いるんです。家族に知られたくないとか、警察官だから職務規定的にまずいとか。こうした人がクレジットカードを使って与信を現金化する。その際、かつては新幹線の回数券などが使われていたのが、今は電子マネーが主流になっているわけです。業者や現金化したいキャッシュの量にもよりますが、電子マネーのギフト券をネットで購入し、転売すれば一般的には85〜90%の還元率になります。買い取り業者は『95%で高価買取!』などと謳っていますが、実態は『100万円あったら10万円分を95%で。残りの90万円は85%で』といったケースが多い。基本的にこうしたスタイルだと心得るべき」(一之瀬氏)

 一般的に売買される電子マネーの相場は、別表にまとめた通りだ。差益は業者の取り分となるわけで、右から左に流すにしては取りすぎな感も否めない。

 とはいえ、「この手法は他にある現金化と比べるとそれなりに優れた数字」と一之瀬氏は評価する。

⇒【資料】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=111588

「ある大手質屋グループでは高級時計をクレジットカードで買わせ、それを別フロアにある買い取り部門に持っていかせる“現金化”を黙認しています。これだと80%前後にしかならない。逆に、最も賢いのは20万円程度の上限付きですが、ある外貨両替サービスを利用して現物のドルを購入すること。この方法では98%前後で円に換金できるうえ、条件によってはマイルが付くこともあります」

◆レターパックの出所は広告代理店が多い!?

 池袋に金券ショップ『K-NET』を構える今枝開孝氏は、いわば現金化のプロフェッショナルだ。

「一度に300万〜400万円もの大量のiTunesカードを持ち込むような怪しいお客さんは稀にいますが、ほとんどは普通の人たちですよ。GWやシルバーウイークなど大型連休がある翌月は特に増えます。パーッと使ってしまった分を埋めたいのでしょうね」

 むしろ、“普通”に見える人ほど怪しかったりする。

「地味なスーツを着たおばさんが収入印紙を大量に持ち込むことはよくあります。1枚200円が100枚で1シートになっているんですが、それこそ数百万円単位で持ってくる。僕らは90〜96%で買って、98%とかで売るんですが、行政書士事務所なんかがまとめて買ってくれるのですぐに捌けます。買い取る際には身分証のコピーを求めるのですが、『税務署に教えないですよね?』と確認してくるので、大きな声で言える類の印紙ではないんでしょう(笑)」(今枝氏)