ヤクルトの新垣渚

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◆ 久保裕はDeNAに加入も…

 昨季日本球界に復帰したソフトバンクの松坂大輔が2日、楽天戦にリリーフ登板し、10年ぶりに日本のマウンドに帰ってきた。“松坂世代”の世代頭が1回5失点と苦しいマウンドとなったこの日、 “松坂世代”の久保裕也(DeNA)、長田秀一郎(DeNA)の2人が戦力外通告を受けた。

 東海大から02年自由獲得枠で巨人に入団した久保は、1年目から一軍で38試合に登板。3年目の05年には64試合に登板し、セットアッパーの地位を築いた。その後、故障や不振で登板数を減らしていたが、10年に復活。同年はリーグ最多の79試合に登板した。翌11年は守護神として20セーブをマークし、リリーフに欠かせない存在となっていた。しかし、12年以降は故障に泣かされ、その間に若手が台頭。昨季は一軍登板がなく、巨人から戦力外通告を受けた。

 巨人から戦力外を受けた久保だったが、リリーフ陣を補強ポイントに挙げていたDeNAに入団が決まる。入団会見では「何試合でも投げるつもりでいます。自分の持てる力を全て出し切って、チームの勝利に貢献したいです。新人の気持ちでフレッシュさを出して頑張ります」と意気込んでいた。

 だが、DeNAに加入した今季、9試合に登板して、防御率5.25と一軍に定着することができず。チームは球団初のCS進出を決めたが、久保は2年連続で戦力外通告を受けた。

◆ 長田は、西武時代に松坂とチームメイト

 長田は慶応大から02年自由獲得枠で西武入り。高卒1年目から3年連続最多勝を獲得するなど既にエースとして成長していた松坂と、チームメイトになった。長田は防御率こそ6.06だったが、1年目から46試合に登板した。翌04年には本格的にリリーフに転向し、34試合に登板し、防御率3.18を記録。

 その後は、満足のいく成績を残せていなかったが、プロ8年目の2010年に自己最多の56試合に登板。12年には53試合に登板して、26ホールド、防御率2.53と西武リリーフ陣に欠かせない存在となっていた。

 翌13年は開幕一軍登録されるも、不安定な投球が続き、同年の7月にDeNAにトレード。DeNAでもリリーフで活躍し、14年、15年と2年連続で45試合以上のマウンドに上がった。だが、今季は三上朋也、田中健二朗、須田幸太といったリリーフ陣が奮闘したこともあり、6試合の登板にとどまった。

◆ 新垣も戦力外

 久保裕と長田だけでなく、新垣渚(ヤクルト)も1日に戦力外通告を受けた。新垣は九州共立大から02年に自由獲得枠でダイエー(現ソフトバンク)に自由獲得枠で入団。1年目から同学年の和田毅、杉内俊哉とともに先発ローテーションの一員として8勝をマーク。翌04年からは3年連続2ケタ勝利を記録し、04年には最多奪三振のタイトルを獲得した。

 しかし、07年以降は制球難と故障に苦しみ、一軍の舞台から遠ざかる。14年途中に12年間プレーしたソフトバンクからヤクルトへトレード移籍。2年目の昨季、15試合に登板するも3勝10敗、今季は1勝2敗、防御率6.67と力を発揮することができなかった。

 その他、木村昇吾(西武)、竹原直隆(西武)といった“松坂世代”の選手が戦力外通告を受けた。今季36歳と大ベテランの域に入った松坂世代の多くが、厳しい秋を迎えている。