日本でも特色のある書店が話題になることはよくありますが、世界にはもはや世界遺産級の「書店」もあります。南米随一の都市ブエノスアイレスにある「エル・アテネオ」は、数年前に「世界で2番目に美しい書店」としても話題になりましたが、まさにその代名詞とも言うべきもの。

旅と本が好きなら
一度は訪れたい書店

え、これが本屋?と思うでしょう。

棚に近づくと、ご覧の通り。書籍数12万点を誇る、南米でも有数の大規模書店なのです。

もとは劇場だった

その美しさも当然、ここエル・アテネオはもともと、1917年に建設された「グランド・スプレンディッド劇場」。その数1,050もの席が設けられた、ブエノスアイレス最大級の劇場跡地だったのです。

観客席が並んでいたところに、ずらっと並ぶ書棚。アルゼンチン、とくに首都ブエノスアイレスと言えばタンゴですが、庶民から貴族まで幅広く楽しまれてきた踊り&音楽を、1900年代にはこのような劇場で鑑賞する文化があったのです。そんな劇場跡で本を読むというのも、なかなか感慨深いもの。

ただし、ここは南米。そのほとんどはスペイン語で書かれた書籍ばかりで、ふらっと訪れた日本人が楽しめる場ではないかもしれませんが、雰囲気を味わうには十分。

エレベーターやエスカレーターもあり、しっかり書店としてのリノベーションが果たされています。奥に見える舞台部分は、ゆっくり読書ができるようにカフェとして運営。日本でも増えてきた、試し読みができるカフェ併設の形式です。ピアノも置かれていて、ライブを開くこともあるそう。

アテネオのドームは20m×19mの巨大なもので、第一次世界大戦を描いた油絵。さすがに、ギリシャやイタリアに現存するドームのような古さはありませんが、題材自体が比較的新しいこともあり、面白い。

ところで
世界一はどこ?

このエル・アテネオは、2008年にイギリスの由緒あるThe Guardian紙で発表された、世界の美しい書店番付で2位になりました。

1位は、このアテネオと同じようにリノベ物件で、オランダのドミニコ会の教会跡を利用した「Boekhandel Selexyz Dominicanen」。ちなみにこのランキングには、9位に京都の「恵文社」もランクインしていました。

こちらエル・アテネオは、ブエノスアイレスいちのファッション街、レコレータ地区のすぐ近く。なかなか地球の裏側まで行く機会はないかもしれませんが、トラベラーなら覚えておいて損はないでしょう。