セブンアイの様々な業態が出店する店舗。西武百貨店の小型店の看板も見える。

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「そごう柏店」がついに閉鎖された。セブン&アイホールディングスの旗艦店ともいうべき大型百貨店、筆頭にの閉店に至るまでは前回の記事で追ったとおりだ。(参照:「そごう柏店がついに閉店。止まらぬセブンアイ系百貨店の閉店ラッシュの背後にあるもの」)

 しかし、そごう・西武が閉店させるのは大型百貨店のみに留まらなかった。大型店に加えて、2017年末までに全国に展開する百貨店の中小型店・サテライトショップのうち、半分以上にあたる10店舗を閉鎖することも発表しているのだ。

 こうした動きに対して、業界では驚きの声があがっていた。

◆「中小サテライト店舗」増加の流れに反するセブンアイ

 郊外のショッピングセンターや、百貨店がない街の駅前で、小型の百貨店を見かけた人も多いであろう。

 近年、百貨店業界では、中小型店の展開に力を入れる企業が増えている。

 その代表格は、三越伊勢丹グループが展開する「エムアイプラザ」「イセタンミラー」や、郄島屋が展開する「郄島屋フードメゾン」などであるが、地方百貨店においても藤崎(仙台市)、天満屋(岡山市)、井筒屋(北九州市)などが中小型店を急速に増やしているほか、百貨店系列のスーパーマーケットが事実上の百貨店のサテライト店として機能し、百貨店の商品を購入できたり、贈答品を承っているという事例も少なくない。

 それだけに、そごう・西武の動きは、時代の流れと逆行するものであるとも言え、さらに、「そごう・西武」は親会社であるセブンアイホールディングスの店舗内への出店を行うことで出店経費を押さえつつ好立地の小型店を獲得することに成功していたのだから、驚きの声があがることも無理はない。

 それでは、セブンアンドアイホールディングスが「小型百貨店事業の大部分から撤退」する決め手となった要因は、一体何であろうか。

◆小規模店展開に失敗していたそごう・西武

 そごう・西武の中小店舗の歴史はまだ浅く、その誕生は2011年のこと(それ以前の1990年代まではそごう・西武ともに地方都市駅前を中心に小型店を数多く出店させていたものの、いずれも経営再建の過程で2000年ごろに閉店していた)。

 2011年4月にセブンアンドアイ系列のショッピングセンター「アリオ上田」(長野県上田市)に小型店1号店となる「西武 上田」を開設したのが始まりだ。なお、なお、1号店に上田を選んだのは、上田市が当時セブンアンドアイホールディングスCEOであった鈴木敏文氏の出身地に近く、またかつてアリオ上田の出店地そばに西友が運営する百貨店「上田西武」が出店していたという縁もあり、故郷に百貨店を復活させたいという鈴木会長の想いもあったと言われている。

 以降、イトーヨーカドーの店舗内を中心に、仙台市泉区、埼玉県久喜市、東京都昭島市など、百貨店がなかった都市にも出店を行うことでそごう・西武の新たな顧客を獲得することを目指し、2016年に「セブンパークアリオ柏」(柏市)に出店した「そごう・西武 柏」まで、「西武」もしくは「そごう・西武」の屋号で中小店舗13店を展開してきた。しかし、一部店舗を除いて思ったように収益が伸びず、出店開始から僅か5年で縮小へと舵を切ったことになる。

◆中小店舗切り捨てと「オムニチャネル化推進」

 結果的にそごう・西武の中小型店は収益が伸びなかったとされるものの、そごう・西武にとっては百貨店店舗から遠隔地の顧客獲得に繋がり、既存の大型百貨店への来店客を増やすことに繋がるほか、イトーヨーカドーとしては、百貨店で専売される高級品やこだわりの商品をスーパーマーケットやショッピングセンターでも販売することができるため、一定のメリットがあったと考えられる。