1日、“一人っ子政策”が完全に廃止されてから半年、中国の出生人口にどのような変化が現れたのだろうか。資料写真。

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2016年10月1日、“一人っ子政策”が完全に廃止されてから半年、中国の出生人口にどのような変化が現れたのだろうか。

中国共産党は昨年10月の第18期中央委員会第5回全体会議で、人口抑制のためのいわゆる“一人っ子政策”を完全に廃止することを決め、各地で段階的に実施されてきた。

財新網によると、国家衛生・計画出産委員会がこのほど公表したデータで、中国の今年上半期の出生人口は、前年同期比で6.9%上昇したことがわかった。このうち、第2子の割合は40%だった。同委員会の王培安(ワン・ペイアン)副主任は、“二人っ子政策”の実施が安定していると強調し、実際の状況と事前の予測は基本的に合致しているとした。

しかし、人口問題に詳しい米ホプキンス大学の黄文政(ホアン・ウェンジョン)教授は、「出生人口がわずかしか増加しなかったことは、“二人っ子政策”の今後の効果を高く見積もってはならないことを証明している」と指摘。「2017年の出生人口が、政府が予測する2000万人を超えることはかなり難しい」としている。

国家衛生・計画出産委員会は2015年の出生人口が2014年比で100万人増加すると予想していたが、ふたを開けてみれば1655万人と増加するどころかむしろ32万人減少した。黄教授はこの原因について、「出産適齢女性の減少」と「女性の出産意欲の低下」の2つを挙げた。これがまさに“二人っ子政策”を楽観視できない要因になっているという。

黄教授はまた、「同委員会は出生人口全体に占める第2子の割合が40%であったとしているが、第1子の状況については何も説明していない」とも指摘する。2010年に行われた第6回の人口調査では、中国の出生率は1.18とされた。同委員会はこの数字を認めておらず、実際は1.5〜1.8であると主張しているが、中国が低出生率に足を踏み入れたことは争いようのない事実である。

9月中旬に湖北省宜昌市の市政府は、全党員、共産党青年団員、各レベルの幹部に“二人っ子政策”の着実な実施を求める通達を出した。これは、市政府と中南財経政法大学が共同で行った調査で、同市の出生率が0.9と著しく低いことが判明したためだ。正常な出生率は2.1とされており、仮に今後も0.9ないしさらに下がれば、今後25〜30年の間に同市の人口は60%ほど減少することになる。この調査結果は、中国全体への警告でもあるのだ。

王副主任は、出産適齢期を迎えた夫婦の出産への意欲を高めるため、託児所などの関連施設の拡充のほか、教育、社会保障、税金、住宅など、さまざまな政策を展開していくとしているが、西安交通大学の姜全保(ジアン・チュエンバオ)教授は、「現在の出生率の低さからすると、政府がどんなに投資しても人口減少の流れは止められない」としており、中国経済の発展にはさらなる人口政策の緩和が必要であるとの見方を示している。(翻訳・編集/北田)