アメリカ宇宙航空局(NASA)が公開したこのイメージ。ぽっかりドーナツ状に弧を描いた宇宙空間の穴の中に流星が突入、こんな印象を受けるかもしれない。だが実際は「巨大なブラックホールが星を飲み込む瞬間」らしい。

星を破壊しながら
炎をあげる瞬間

言ってしまえばブラックホールも天体のひとつなわけだが、あまりに高密度で重力が強いため物質だけでなく、光すらも脱出できない。それゆえ、近くを通る星は一瞬にして吸い込まれ、跡形もなく消えてしまう。

これまでX線観測衛星の記録を元に解析した、星を飲み込む瞬間の再現映像はあった。が、実際の様子を捉えたのはこれが初めてだそう。

「ブラックホールに接近する恒星の潮汐破壊を赤外線エコーによる撮影でこんなにも鮮明に確認できたのは初めてですよ」、とはNASAでブラックホール研究の指揮をとるジョンズ・ホプキンス大学Sjoert van Velzen研究員のコメント。潮汐とは、恒星の表面をぐにゃぐにゃに破壊しながらブラックホールの中へと吸い込む現象のこと。潮の満ち引きの超強力版とでも言ったところか。

イメージ中央で明るく輝いている星は、軌跡を残して自ら飛び込んでいったのではなく、無限の力で穴の中へと引きずり込まれて行ったのだった。

今回の撮影の成功により、潮汐破壊時に発生する膨大なエネルギー量と塵埃がフレアによって加熱された後、どう赤外線放射するかについてさらなる研究が進むことになるという。

では、ブラックホールへと吸い込まれた先はどこにつながっている?答えの解明までには、もう少し時間が必要のよう。そうそう、潮汐破壊の様子をより分かりやすく描いだ動画を最後に。“星を喰らう”ブラックホールの怖さが垣間見れるはずだ。

※本記事では、一部誤りがあったため訂正を加えております(2016/11/22 11:00)

Licensed material used with permission by NASA