成人男性は、幼少期のストレスを肥満の言い訳にできません(イラスト・サカタルージ)

写真拡大

「あのママったら2人も子どもがいるのに、なぜスレンダーなの? 私なんて独身なのにおデブちゃん!」――。女性にも太りやすい人と太りにくい人がおり、世の中の不公平さにお怒りのアナタ、少女時代は幸せでしたか?

実は大人になってから太る女性は、少女時代のストレスに原因があることが最近の研究でわかった。しかも、これは女性特有の現象で、男性は少年期に不幸でも肥満に関係ないというから、ますます不公平だ。

太る原因は現在のストレスより「乙女の悩み」だった

「幼少期にストレスを受けた女性ほど、大人になってから太りやすい」という研究をまとめたのは、米ミシガン大学のフイ・リウ准教授(社会学)のチームだ。社会科学と医学の総合誌「ソーシャル・サイエンス&メディシン」(電子版)の2015年6月27日号に発表した。米国には「米国人の生活変化」というインタビュー形式の生活と健康を調査した膨大なデータがある。研究チームはその中で合計3617人(女性2259人・男性1358人)のデータを分析した。15年間に4回インタビューを行ない、身長、体重などの健康状態から親子関係、家庭環境、学業成績、恋愛・結婚、子育てや仕事の悩みなど、その人物の生活史全般を詳しく記録したものだ。

ミシガン大学の発表資料によると、分析の結果、次のことが明らかになった。

(1)成人になってから急速に太る女性は、ストレスが原因になっている。

(2)ただし、そのストレスは「子育ての悩み」「夫との不仲・離婚」「仕事上の困難」などの成人してからのものではなく、16歳以下に受けたストレスによる場合が多い。

(3)16歳以下のストレスで特に成人後の体重増加に影響を与えているのが、「貧困」「親の離婚・再婚」「親の精神疾患」「父親を知らない」などだ。

(4)そして、少女期にこれらのストレスを心身に受けた女性は、成人後にストレスを受けた女性より、体重増加のスピードが速く、しかも長期間にわたって体重増加に悩まされる傾向が強い。

(5)一方、男性の場合は少年期、成人期にかかわらず、ストレスが体重増加にほとんど影響していない。

少年がいくら悩んでも太らないのはなぜ?

小さい頃の悩みが、現在の体重に影響を与えるなんて、愕然とする結果だが、なぜ女性にだけストレスが体重増加に表れるのだろうか。リウ准教授はこう推測している。

「男性と女性とではストレスに対する反応の仕方が異なるからと考えられます。女性はストレスと抑えるために、より多く食べて発散させる傾向がありますが、男性は飲酒や粗暴な行動、あるいは引きこもりのように、体重には直接関係がない方法をとります。また、女性の方が男性の数倍うつになりやすく、特に思春期にはうつになる人が多くいます。うつになると感情にかられて過食に走る人が多くいます。少女期にストレスを受けると過食をする悪い習慣が身に付き、それが成人後の体重増加につながるのだと思います」

少女期の習慣が生涯にわたって影響を与え続けるのだ。「もう私、手遅れよ〜」とウエストをつまんだアナタ、もし小さなお嬢さんがいるなら、将来「オデブちゃん」で悩まないよう、ぜひ愛情深く育ててほしい。