ゲイは必ず新宿2丁目に行くの?知られざるゲイバーの実態

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鈴掛真の【ゲイだけど質問ある?】 vol.16

こんにちは、歌人の鈴掛真です。5・7・5・7・7の短歌の作家です。

多数のゲイバーが集まる“新宿2丁目”の存在は、関東圏にお住まいじゃないみなさんの間でも広く知られていますよね。今回は、ゲイバーって一体どんなところなのかをお伝えしましょう!

詳しく知りたいけど、なかなか知る機会のない“同性愛”の話題。
【ゲイだけど質問ある?】では、オープンリー・ゲイの鈴掛真が、みなさんの気になる疑問・質問にお答えしていきます!

質問 【やっぱりゲイバーに行くの?】

新宿2丁目は、ゲイバーやゲイクラブなど、同性愛者が集うお店が約400軒も立ち並ぶ、日本最大のゲイタウンです。
厳密には2丁目だけでなく、3丁目や歌舞伎町などにもお店は点在しているので、住所というよりも、“新宿2丁目を中心としたゲイタウンエリア全体”を総称する言葉として『2丁目』が使われています。

僕自身、これまで何回も2丁目でお酒を飲んだことがあります。特に、上京したばかりで友達が少なかった頃は、知り合いに連れて行ってもらって朝まで遊んだり、友達を紹介してもらったりして、毎週のように飲みに行っていた時期がありました!

けれど、それもすっかり懐かしい話。今では年に1回くらいしか二丁目に行くことはなくなりました。なぜ僕が行かなくなったのか、理由を挙げてみましょう。

?そもそもお酒を頻繁に飲まない。
?バーやクラブより居酒屋が好き。
?人混みと騒がしい場所が苦手。
?自宅から新宿のアクセスが悪い。

しょうもない理由ばっかじゃねーか。

そう、言ってしまえば大した理由はないんです。金曜や土曜の夜の過ごし方として、その選択肢が僕にとって重要ではないというだけのこと。ゲイの全員が二丁目に行くわけじゃないんです。
 

ゲイバーってどんなところ?

ご存じないかもしれませんが、ゲイバーは日本全国の至るところにあります。
東京だけで見ても、新宿の他に渋谷、新橋、上野にゲイバーエリアが存在しますし、その他の駅に1軒だけぽつんと営業している店も。大阪であれば堂山町、名古屋であれば女子大小路と、みなさんがお住まいの街にもきっとあるはずなんです!

ここでひとつみなさんに、僕が秘密にしてきたことを教えましょう……。
実は僕……過去にゲイバーで働いていたことがあるんです!!(これまでどこにも公表してなかったけど!!)
知り合いに連れて行ってもらったお店にスカウトされ、マスターがとても良い人だったので、社会勉強のつもりで1年間働かせてもらっていました。

場所は、渋谷駅から徒歩3分ほどの、古い雑居ビル。エレベーターで4階に上がると、『会員制』と書かれた重たそうなドアが。
中は、15席ほどのカウンターと、4人掛けの小さなテーブルがあるだけの、こじんまりとしたお店。壁にはキープボトルがずらりと並びます。
お客さんにお酒を注いで、グラスを洗って。満席になる夕食後の時間帯は嵐のような忙しさ!
そうして終電まで、忙しい時は始発まで、お客さんとたくさんお喋りをして過ごしました。

では、僕が1年間カウンターの中から客観的に眺めて感じたゲイバーのメリットとデメリットをお伝えしましょう。

メリットは、ゲイにとっての癒しと出会いの場だということ。
ほとんどのゲイは、実生活でカミングタウトしていません。同じ境遇の人たちだけでリラックスしてお酒を飲めるのは、最高の癒し。もちろん、新しい恋の出会いもあります。恋にならずとも、いろんな職業のお客さんがいらっしゃるので、普段出会えない業界の話が聞けることも魅力です。

デメリットは、かなり閉鎖的な環境だということ。
最近では、異性愛者の男性や女性が入室できるお店も増えてきましたが、ほとんどのゲイバーは文字通りゲイしか入店できません。異性愛者がゲイの人と交流できる場ではなく“ゲイのためだけのバー”であることが多いんです。

確かにゲイバーのような、実生活から隔離された世界は、カミングアウトしていないたくさんのゲイにとって必要だと思います。しかし、オープンリー・ゲイとして生活している僕は、ゲイバーだけでは同性愛者と異性愛者の壁がなくなることはないと感じました。
僕が、新宿2丁目でもゲイバーでもないところでお酒を飲もうと思うのは、そこに理由があるからかもしれません。
どんなお店であっても、ゲイと異性愛者がいっしょになって楽しくお酒が飲めるような時代が来ればいいなと、僕は願っています。
 

質問、お待ちしています!

鈴掛真の【ゲイだけど質問ある?】第16回、いかがでしたか?
次回は、【ゲイ同士の友情と恋愛の境目はどこ?】という疑問にお答えしたいと思います。

みなさんからの質問も募集しています。
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メッセージお待ちしています!

【今週の短歌】
交わし合う
言葉の数を
星にして
部屋一面に
描く星座図
 

【ゲイだけど質問ある?】 バックナンバー

●vol.15 【同性愛って“趣味”なんでしょ?】
●vol.14 【カミングアウトされたとき気をつけるべきことは?】
●vol.13 【職場のゲイとどう接すればいいの?】
●vol.12 【ゲイのHIV事情ってどうなの?】
●vol.11 【ゲイとバイセクシャルってどう違うの?】
●vol.10 【同性愛者と異性愛者の恋愛はありえるの?】
●vol.9  【どうしてゲイにはイケメンが多いの?】
●vol.8  【女性にはまったく興味ないの?】
●vol.7  【どうしてカミングアウトしようと思ったの?】
●vol.6  【ゲイの息子を持つ親として大切なことは?】
●vol.5  【腐女子ってどう思う?】
●vol.4  【いつゲイだって自覚したの?】
●vol.3  【ゲイとオネエってなにが違うの?】
●vol.2  【そもそも同性愛ってどういうこと?】
●vol.1  【ほんとにゲイなの?】

鈴掛真プロフィール


鈴掛 真(すずかけ しん)歌人
愛知県春日井市出身。東京都在住。
著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版刊)がある。
雑誌『東京グラフィティ』で連載中。
Twitter・ブログでも短歌を随時発表中。

●Twitter http://twitter.com/suzukakeshin
●ブログ さえずり短歌
●オフィシャルWEBサイト http://suzukakeshin.com

Written by 鈴掛 真