平日は都会で働き、週末は田舎で過ごす。東京生まれ、会社勤め、共働き、こども3人。「田舎素人」の一家が始めた「二地域居住」。彼らが田舎の家に求める「素朴さ」とは?なぜ、都市のライフスタイルとは違う価値を、田舎の暮らしに求めるのか?これからの新しい暮らし方を提案する『週末は田舎暮らし』から、一部を抜粋して紹介する。

◆これまでのあらすじ◆
東京生まれ、会社勤め、共働き、こども3人。およそフットワークが軽いとは言えない一家が夢見た「二地域居住」という暮らし方。とうとうその第一歩「田舎の家」を手に入れた。田舎暮らしの拠点である築百数十年の古民家に一家が求めた価値観とは?

 虫も日々どっさり遭遇します。アリやハエなら想定内ですが、くの字の足が何十本も生えた体長10センチ以上のオオゲジなどは、はじめて出会うと叫ぶ前に息が止まるかというほど大迫力の様相です。

 まるでぜんまいじかけのおもちゃのように足をゲジゲジゲジゲジ動かして部屋の隅を走り、その音も妙に怖い。これは極悪の相あり!こどもたちを守らねば、いざ!と殺虫剤に走ろうとしたのですが、そこで「いや待てよ」と立ち止まりました。

 この虫が本当に人間にとって害のある虫なのか、害はない虫なのか。まずは何でも殺虫剤というのをやめ、また見た目だけで判断せず、生態をネットで調べて観察することにしました。

 すると、オオゲジを含むゲジゲジは、実は「ゴキブリなどを食べてくれる、益虫なんだって」と分かり、家族一同「ヘェ〜〜〜〜」と感心。

「どおりで家にゴキブリがいないと思ったら、食べてくれてたんだー」
「見た目が怖いからってシューッて殺すのは、なんかかわいそうだよね」
「ほら、よくできてるよね、あんなにいっぱいの足が絡まらないで、あんなに早く動いてる!すごい、神業だ」
「悪いことしないなら、いてもらった方がいいんじゃない?」

「かわいーー!」
「かわいくはねーよ、ポチン」
「だってー、いい虫なんだから、かわいーーー」

 こどもの方が先入観がない分、「やっぱり絶対ダメ」とはなりにくいようです。

 特にニイニもわたしも虫が好きという素質があるので、どんなに気味悪く見える虫でもじっと観察していると感情移入し、やたらと殺せない気持ちになってきます。

 虫が怖い、という感情の中には、殺虫剤をかけたときの虫の悶え死ぬ様子が怖い、という部分もあるので、生きたまま付き合えるものは付き合っておこう。そんな家庭内ルールができることになりました。

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