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台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業のもとで経営再建をはかっているシャープがこのほど、戴正呉(たい・せいご)社長に支払う役員報酬を「ゼロ円」にすることを決めた。報道によると、ボーナスにあたる役員賞与も支給しないため、戴社長は無給で働くことになるという。

これまで、戴社長は「赤字なのに報酬を受け取るのはおかしい」という認識を示していた。無給にすることで、黒字に向けた決意を示したかたちとなる。一方で、戴社長はホンハイグループの副総裁もつとめており、そちらからは報酬を得る。

シャープのような上場企業が、社長に報酬を支払わないのは異例だそうだが、役員報酬を支払わなくても法的に問題ないのだろうか。企業法務に詳しい高島秀行弁護士に聞いた。

●「役員報酬ゼロ円」の役員を選任することができる

「役員報酬については、会社法上、株主総会の決議で、支給するかどうか、支給額がいくらにするかを決めることになっています。

総会決議で、役員全員の報酬の総額を決めて、その範囲内で、どの役員がいくらの報酬を取るかを取締役会に委任することもできます」

今回のシャープのように、役員報酬をゼロ円とすることは可能なのか。

「社長本人が役員報酬を不要として、役員報酬を受け取る権利を放棄したから、役員報酬『ゼロ円』が実現したわけです。

役員報酬がゼロ円でもよいから役員として働きたいという人がいれば、会社法上、株主総会などで、『役員報酬ゼロ円』として、役員に選任することは可能です。法的に問題ありません。

ただ、株主総会で役員に選任されたとしても、役員には役員になることを承諾するかどうか選択する権利があります。

普通は、役員になるときに、『役員報酬ゼロ円』だといわれれば、生活ができなくなるので役員になる人はいません。したがって、役員報酬がゼロ円ということは、なかなかないことだと思います」

高島弁護士はこのように説明していた。

(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
高島 秀行(たかしま・ひでゆき)弁護士
「訴えられたらどうする」「企業のための民暴撃退マニュアル」「相続遺産分割する前に読む本」(以上、税務経理協会)等の著作があり、「ビジネス弁護士2011」(日経BP社)にも掲載された。ブログ「資産を守り残す法律」を連載中。
事務所名:高島総合法律事務所
事務所URL:http://www.takashimalaw.com