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 9月21日は、日米の金融政策に関して重要な日であった。

 日本銀行は日銀金融政策決定会合で、新しい枠組みである「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入を決定した。その主な内容は、第1に、長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」、第2に、消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%の「物価安定の目標」を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する「オーバーシュート型コミットメント」である。(参照:「金融緩和強化のための新しい枠組み:『長短金利操作付き量的・質的金融緩和』」※pdf)主要な操作変数が、「量」から「金利」へと変更された。

 そして、米連邦準備理事会(FRB)は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定した。労働市場が一段と改善しており、年内に一回の利上げを行う可能性を強く示唆した。

 9月21日まで、FRBの要人発言や経済指標の発表から、FRBによる利上げの可能性が高まると、ドル高となり、米長期金利が上昇し、新興国・資源国通貨が下落し、原油やコモディティの価格が下落する傾向が見られた。一方、利上げの可能性が低くなると、上記の逆の動きが見られた。9月21日の利上げ据え置き決定により、マーケットが崩れることは無かったが、もしも利上げしていたら、新興国・資源国への悪影響は大きかっただろう。すなわち、9月21日時点では、米国の利上げに対する新興国・資源国の「耐性」は、まだ、ついていなかったと言えるだろう。

 日銀が従来のマイナス金利付き量的・質的金融緩和の効果や副作用について「総括的な検証」を行った上で、何もしなかったとしたら、あるいは、FRBが利上げを強行していたら、マーケットは拙い状況に陥っていただろう。以下、日米中央銀行の金融政策の他に、最新のマーケットに潜むリスクを点検してみたい。(涜臈領選のトランプ候補当選リスク、▲疋ぅ超箙圓稜砲燭鵐螢好、8玉価格変動リスクを対象として、考えてみたい。

◆米大統領選のトランプ候補当選リスク

 米大統領選であるが、マーケットにとって、トランプ候補とクリントン候補を比較して、どちらが好ましいか?

 トランプ候補は、保護主義的であり、ハト派のイエレンFRB議長の金融政策に反対の立場であり、マーケットにとっては、トランプ候補は好ましいとは言えないだろう。

 一方、クリントン候補は、薬価の高騰問題の解決が製薬会社へ影響することは考えられるが、イエレンFRB議長の金融政策に反対しているわけではない。マーケットにフレンドリーなのは、相対的な評価となるが、クリントン候補であり、もしもトランプ候補が当選すれば、マーケットへの(下方への)インパクトは大きいだろう。

 9月26日(日本時間27日)、米大統領選の第1回テレビ討論会がニューヨーク郊外ヘンプステッドで行われた。討論会終了後にCNNテレビが行った世論調査によると、クリントン氏の方が良かったが62%で、トランプ氏の27%を大きく上回った。(参照:Breaking News)

 大統領候補の討論会は、10月9日にミズーリ州セントルイス、19日にネバダ州ラスベガスで行われる。

◆ドイツ銀行の破綻リスク

 現在、最も注意すべきは、ドイツ銀行の破綻リスクである。社債や国債、貸付債権などの信用リスクに対して、保険の役割を果たし、信用リスクを回避する手段として破綻保険証券「CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)」というものがある。9月29日時点、ドイツ銀行のCDSは237と、高い数値となっており、破綻懸念が増している。

 6月29日、米連銀が大手国際金融機関33銀行の自己資本計画書に対する評価、いわゆる、ストレステストを実施したが、ドイツ銀行は不合格であった。「保有資産を過大に評価している。リスク管理および管理体制に欠陥がある。その結果、ドイツ銀行の提出した自己資本計画は信頼性に限界がある」と、ドイツ銀行は評価された。