中国人の訪日目的は観光や買い物だけではない。ここのところ、医療サービスを受けるために日本を訪れる「医療観光」がにわかに中国で注目が高まっているという。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国人の訪日目的は観光や買い物だけではない。ここのところ、医療サービスを受けるために日本を訪れる「医療観光」がにわかに中国で注目が高まっているという。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、国外を訪れる中国人旅行客は単なる買い物や消費だけでは満足できなくなり、今や「健康分野」への消費にも関心を抱き始めていると紹介。これまでに中国では美容整形の手術を韓国で受けることや、米国籍を求めて米国で出産することがブームとなったが、近年は日本で健康診断などの医療サービスを中国人が増えていると伝えた。

 記事は、中国人が日本への医療観光を選ぶ背景について、日中が地理的に近いこと、日本はサービスの質が高く、気持ちの良い待遇を得られること、医療滞在ビザが解禁されたことで条件に応じて数次有効ビザも発給されるようになったことを指摘。

 続けて、何よりも重要な要素は「日本の医療レベルが高いこと」だと紹介し、がんの早期発見および治療に関する日本の医療レベルを非常に高く評価したうえで、「日本ではがんと宣告されても、それは必ずしも死を意味するものではない」と指摘。一方、中国ではがん患者が急増しているにもかかわらず、医療レベルの向上が追いついておらず、「多くの患者にとってがん宣告はそのまま死を意味する状況」であることを伝えた。

 中国では経済成長に伴い、生活習慣病を患う人が増えているほか、大気汚染や喫煙率の高さを背景に、肺がん死亡率も急上昇している。そのため、中国国内で受けることのできない医療サービスを求めて中国人患者が日本を訪れるケースは今後も増加し続けると見込まれる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)