29日、大江博・環太平洋連携協定(TPP)首席交渉官が日本記者クラブで会見。今臨時国会での大きな焦点となっているTPP承認案と関連法案の成立へ強い意欲を示し、米大統領選後にオバマ大統領が通す可能性があると期待した。

写真拡大

2016年9月29日、大江博・環太平洋経済連携協定(TPP)首席交渉官が日本記者クラブで会見。今臨時国会での大きな焦点となっているTPP承認案と関連法案の成立へ強い意欲を示した。現時点で、発効の条件となる米承認のメドが立っていないことを認めたものの、大統領選後にオバマ大統領が通す可能性があると期待した。

米国での承認の見通しが立たない中、「臨時国会で成立させようとするのは拙速であり、米国の行方を見てからでも遅くない」との批判があることについて、大江氏は「11月8日の大統領選と来年1月の次期大統領就任までの“レームダックセッション(日程消化期間)に、TPPを推進してきたオバマ大統領が通す可能性があるので、後押しすることができる」と反論。大統領選までに日本が承認のめどをつければ米TTP批准につながるとの考えを示した。

また米国民の多くがTPPに不満を抱き、クリントン、トランプ両大統領候補が反対に回っていることについて、「厳しいギリギリの交渉過程で米国を含むすべての国が譲歩した結果、米国の“一人勝ち”にならなかったためだ」と説明。米国内には再交渉を求める勢力があることに対しても、「(最終案は)ガラス細工のようなものであり再交渉はない」と明言した。

また、「TPP反対を両候補が表明しており、どちらが正式に大統領に就任しても、反対の公約を反故にすることは困難」と述べ、新大統領就任後の成立の可能性は少ないとの判断を示した。

さらにTPP加盟12カ国の国内承認手続きが遅れており、カナダなどは発効されてから批准手続きに入ることになっていると指摘した。

大江TPP首席交渉官は「現在のTPP加盟国は12カ国だが、メンバー国は固定されず、台湾、フィリピン、インドネシア、タイなど多くの国が関心を示している」とし、「東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国が加盟すれば、中国も参加を検討するようになる」と語った。(八牧浩行)