若手の起用に積極的なハリルホジッチ監督の下、序列が入れ替わってもおかしくはない。岡崎は香川と同様、難しい立場に立たされている。
 
 9月シリーズに引き続き、招集された武藤は、タイ戦での起用を見ても、浅野の次という位置づけだろう。ただし、すでにマインツでは2ゴールを記録。浅野に肉薄しているのは間違いないだろう。
 
右ウイング:◎本田圭佑(ミラン)/△小林 悠(川崎)
左ウイング:◎原口元気(ヘルタ・ベルリン)/△宇佐美貴史(アウクスブルク)
 
 本田も香川や清武と同じく、所属クラブでレギュラーからは遠ざかっている。それでも「◎」としたのは、ひとつにはポジションを争う小林とは様々な面でまだ大きな開きがあり、痛恨の逆転負けを喫した9月のUAE戦でも、最後まで頼りになる仕事ぶりを披露していたから。精神的支柱としても、ベンチに置いておくのは得策ではない。
 
 もちろん、小林は川崎でシーズン15ゴールを記録しているように、好調をキープしている。スタメンは奪えなくても、途中出場から流れを変える働きを期待してもいいだろう。
 
 同じく、ジョーカーとして楽しみなのが、宇佐美だ。9月シリーズの2試合でも、途中から効果的なプレーを見せていた。本人からすれば、先発へのこだわりは強いかもしれないが、定位置を争う原口と比較すれば、ベンチスタートを覚悟しなければならない。
 
 ヘルタ・ベルリンで盤石の地位を築いている原口は、不甲斐ない欧州組の中で最も信頼できる存在だ。最終予選初勝利となるタイ戦では久々の先発を飾り、貴重な先制点をゲット。清武や武藤らも候補に挙げられる激戦区の左ウイングで一歩リードしており、今回の10月シリーズでも鍵を握る選手になりそうだ。
 
※凡例:◎=スタメン候補 ○=準レギュラー △=三番手
 
文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)